146:今回は、サトウハチロー作詞・古関裕而作曲の「長崎の鐘」です。原詞の3番を飛ばした、よく知られている1.2.4番を、旧仮名遣いに統一した他はそのままの歌詞で演らせて頂きました。
実は、私の亡父はあの8月9日、爆心地から約1キロメートルの距離にあった三菱兵器製作所技師養成所の教室棟で被爆しました。倒壊した建物の梁の下敷きになり、足を骨折しましたが、級友達に助け出され、九死に一生を得たそうです。そんなわけで、長崎被爆2世たる私にとっても特別な歌です。
「うねりの波の」の「の」は比況の格助詞。
「旅立ちぬ」「月澄みぬ」の「ぬ」は、どちらも完了の助動詞「ぬ」終止形。
「形見に」の「に」は資格の格助詞。
永井隆医師(亡父はいつも「永井博士」とお呼びしていました)は原爆投下直後、負傷者の治療に忙殺されていました。自宅の様子を見て来たらとの周囲の言葉に対しても、妻が生きていれば私の安否を心配してここまで来るはず、来ないということはきっと助からなかったのでしょう、と答え、気丈に治療を続けていたとのこと。
3日後、自宅のあった場所で御夫人の遺骨をロザリオなどと一緒に掘り出した時、どうして直ぐに駆けつけてやれなかったのかという悔恨の思いが湧き起こり、それが「心の罪」となって残ったようです。その重荷も、告解室での神父の言葉によって、少しは軽減されたのでしょうか、3番(原詞4番)の歌詞は、希望を感じさせる終わり方になっています。
Негізгі бет 146:長崎の鐘
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