WAN主催シンポジウム
「離婚後の子どもをどう守るか ―面会交流、共同親権と子どもの利益―」
・開催日時:2021年11月2日(火曜日)19時〜21時
シンポジウムの詳細、参加者の感想は wan.or.jp/article/show/9784 をご覧ください。
◯長谷川京子弁護士報告の補足説明
※CafcassとはThe Children and Family Court Advisory and Support Serviceの略。 →www.cafcass.gov.uk/
◉英国の司法省報告2020資料はこちら↓↓:
Assessing risk of harm to children and parents in private law children cases :Final Report
Domestic abuse and private law children cases: A literature review↓
www.gov.uk/government/consult...
◉英国司法省報告2020の日本語訳はこちら↓↓:
xs825343.xsrv.jp/
※長谷川京子弁護士の資料は特別に公開のご許可をいただきました。
以下のWANサイトページからPDFをダウンロードできます。
wan.or.jp/article/show/9784
※その他の発表資料のコピー・転載、動画のコピー・転載を禁じます。
◯シンポジウム関連図書
・友田明美先生 共著
『未成年期に父母の離婚を経験した子どもの養育に関する全国実態調査とその分析』 www.kajo.co.jp/c/book/05/0504...
・長谷川京子先生 編著
『離婚後の子の監護と面会交流 子どもの心身の健康な発達のために』 www.nippyo.co.jp/shop/book/76...
『離婚後の共同親権とは何か 子どもの視点から考える』 www.nippyo.co.jp/shop/book/79...
・長谷川京子先生、千田有紀先生 編著
『離婚後の子どもをどう守るか 「子どもの利益」と「親の利益」』 www.nippyo.co.jp/shop/book/82...
◯動画タイムライン
0:00:00 主催者 上野千鶴子挨拶
0:03:04 ご報告①友田 明美先生 「 未成年期に父母の離婚を経験した子どもの養育に関する全国実態調査」の分析から見えるもの
0:30:16 ご報告②長谷川 京子弁護士 イギリス司法省の調査が明らかにする子どもの安全
1:00:49 ご報告③千田 有紀先生 離婚後の父母のあり方とジェンダー観
1:34:10 ディスカッション
◯登壇者
友田明美 小児神経科医。福井大学子どものこころの発達研究センター教授、同附属病院子どものこころ診療部長。著作に『子どもの脳を傷つける親たち』、『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』など。
長谷川京子 弁護士。DVを通じて性差別を学ぶ。編著『離婚後共同親権とは何か』『離婚後の子どもをどう守るか』など。
千田有紀 社会学。武蔵大学社会学部教授。著作に『女性学/男性学』、『日本型近代家族―どこから来てどこに行くのか』『ジェンダー論をつかむ』など。
◯内容
夫婦が離婚した後に、子どもをどのように育てるべきなのか。 養育費の支払い率は2割ほどの日本で、 面会交流や共同親権の議論が高まっており、 親子関係にかんする法改正を視野に入れた法制審議会もできています。民法766条改正以後、家庭裁判所では、面会交流はほぼ原則実施の方針が取られ、DVや虐待に対する配慮がされてきたとはいいがたいところがあります。また離婚後、離れたところに暮らす親の許可なしに、 進学や引っ越し、海外旅行ができなくなることは、 大きな混乱を招かないのでしょうか?
今回は、友田明美先生には「未成年期に父母の離婚を経験した子どもの養育に関する全国実態調査」から見える離婚後の面会交流のあり方について、長谷川京子先生には、 イギリス司法省がおこなった大規模な離婚後の子どもの養育にかんする調査が何を問いかけるのかを明らかにしていただき、さらに千田有紀先生には、 離婚後の父母のあり方はどのようなジェンダー観によってきめられているのかについて話していただきます。
◉当日オンラインで参加した方からの100件ほどの予想を上回る数の感想と、反響の大きさに驚いています。いただいた感想の一部を掲載します。
◯欧米では共同親権や面会交流を当然のように行って、日本はまだまだ遅れてるんだと何となく思っていたけど、それにより弊害が出ているということを知って、一つの方向からしかこの問題を見ていなかったのだと知ることができた。
◯共同親権、知ることができて良かったです。これは国民皆んなで考えるべき事なのに、離婚当事者達しか知らなくてもいい様な感じで過ぎていることが恐ろしいです。しかも離婚した後にどんなものか知る‥これも懲罰的な意味に感じられます。またこの様な報告会を開催して頂きたいです。
◯共同親権、なんとなくイメージで「いいんじゃない?」と思っておりました。しっかり知ることの大切さを感じました。またこうした機会をつくっていただけたらと思います。ありがとうございました!
◯大変興味深かったです。海外在住で、共同親権が当然とされる社会背景の元、身近に離婚後に共同親権を持つ親の元を行き来する子どもたちをたくさん知っています。問題があるケースもうまく行っているケースもあるとは思うのですが、共同親権がうまくいくということを前提に例外として対処することの恐ろしさを改めて感じました。日本でも賃金と家事育児など無償労働の不平等を解消することと含めて弱者によりそう社会であって欲しいと思います。
◯DVが原因で離婚後、面会交流で困り続けている当事者です。今自分がおかしいと思っていることを3人の先生がエビデンスをもって説明していただき、よく理解ができました。面会が子供を傷つける機会でしかないこと、子どもを守る手立てがないこと、何とかしたいです。
◯参加できて本当によかったです。私の中の、パラダイムシフトが起きました。そして少々混乱しています。またぜひこのような機会を持っていただけるとありがたいです。もっといろいろなことを知りたいです。少し前に、面会交流についての話を聞いたのですが、通りいっぺんで、絶望感しかありませんでした。そういう意味で、私が知りたかった話を初めて聞くことができ、本当に感謝しかありません。同じように苦しんでいる人に、届きますよう願っています。
◯共同親権推進の方針のシンポジウムも多く、単独親権について攻撃的な言動も目立つ中、貴重なシンポジウムで大変参考になりました。
◯素晴らしかったです!この講演の録画ないし、文字起こしを、法制審議会に提出して、すべての委員にみてもらいたいです。
◯ずっと気になっていた法務省のアンケートの結果を友田先生から説明を受けることができ、とても良かったです。また質問をして回答を得ることができたのも大変嬉しかったです。友田先生の分析結果について同じチームメンバー(と思っていた)共同親権推進派の棚村先生、青木先生の感想を知らないというのも驚きであり、法制審議会に結果が共有されているかどうか、分析した研究者にも知らされていないというのも驚きで、私たちはそのブラックボックスをなんとかして開示させていく必要があると思いました。長谷川先生のイギリスの現状も興味深く聞かせていただきましたが納得いかないですし、千田先生のお話を聞いて、日本の男尊女卑もまだまだ根深いと思いました。知見を深めて、社会を変える学びをますます深めねばと思いました。貴重なお話をありがとうございました。
◯心理カウンセラーをしています。面会交流で悩まれている母子のケースがあったので大変勉強になりました。元夫が裁判所を味方につけて面会する度に子どもに母親の悪口を吹き込み子どもが不安定になって暴れてしまうという、いわゆる「板挟み」の事例ですが、裁判所のDVに対する理解が不足しているという現実があると知りいろいろと腑に落ちました。また、司法領域で働く心理士には子の引き渡しを見守る、または引き渡し時の「心のケア」を担う役割が新たに課せられ、違和感を感じていました。本日は有難うございました。
◯子供には、父親も母親も必要だと、常識に囚われていた自分の価値観を改めさせられた。夫婦の紛争が、子供の脳と心と発達に影響を及ぼす事実と、日本社会の現在のしくみの残酷さを知り、声を上げて変えなければいけないと考えさせられました。
◯これまで、同様の題材はあくまで理想論と言いますか、漠然としたイメージで捉えていました。今回のイベントを通して、調査結果に基づく影響を客観視でき、自分たちの感覚に落とし込む事ができました。とても勉強になりました。また裁判所は公平だと思っていたけど、この日本の状況に沿った法律なのだから、不公平が叫ばれている物事にはそもそも裁判所や法律も公平なはずはないのだと聞いてその通りだと目から鱗だった。離婚にまつわる子どもの状況について知らないことが多くもっと学んで寄り添えるようになりたいと思った。
◯面会交流による子供への影響、また面会交流に対する裁判所の考えがよくわかったと同時に裁判官の考え方を変えることの大変さもわかった。今後統計を積み重ね裁判所の考えを変える努力をしていかなければいけないと思った。
◯男性優位社会における「共同親権」は怖いです。DV被害者女性と子どものためにならないことが、よくわかりました。反対の声を上げ続けていこうと思いました。
◯高葛藤事案での共同監護が深刻な問題をはらんでいることが理解できました。
◯子どもの成長に両親が必要であるという社会規範のために、DVが起こってもなお子どもの利益よりも面会交流を優先する傾向がよく分かりました。女性が男性に比べて低賃金である現状を踏まえると、なぜDVがあっても離婚または別居しないのかということは例えば夫婦間の経済格差から想像できると思います。養育費の支払いの名目で、子やパートナーを縛ることも暴力であるという認識が広まるべきだと思いますし、養育費を理由に離婚や別居を踏みとどまる人への理解も広まるべきだと思います。また、空港で胎児を遺棄した後に食事をした女性が責められたニュースについて、個人的にはどんな状況下でも空腹になり得るし、それを満たす行為は普通であるという風に考えるため、母親を責める理由にはならないと思います。さらに、ある状況下での精神状態を考える時に、冷静に見えても混乱していることや笑顔を保っていても精神が不安定ということは想定できると考えます。加えて、胎児を遺棄することの背景に、妊娠に至るまでの過程があるにも関わらず大抵それらは報道されることなく、「妊娠させた」責任は問われないケースが多いように思います。先生方のご発表を聞いていると、養育だけではなくパートナー関係における権力関係やそこからの脱出の難しさについても考えさせられました。ありがとうございました。
◯周回遅れで何故とんでもない制度を取り入れようとするのか。男性は女性を同じ人間としてではなく、自分に都合の良い支配できるモノとしか思っていないのだろうと感じてしまう。人を人として尊重し、全ての人の人権を尊重出来る国を作っていかないと。貴重なお話を聴くことができました。ありがとうございました。
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