長い夢を、見ていたような気がする。
君に私の夢を託していた
私よりずっとすごい君に、私のことを託していた
私よりも頭が良くて、私よりも器用で、素敵な君だから、私よりも幸せになってほしかった。
「夏の学校祭が本番だからね。我らが演劇部の卒業公演!」
高校三年生の夏の終わり、学校祭で披露する演劇部の卒業公演では「夏芙蓉」という劇をやるらしい。
春になったばかりだというのにもう練習を始めているようで、君はにこにこしながら台本を読んでいた。どうしてもやりたかった劇で主役を務められるんだと嬉しそう。とっても良い話なんだよ、このセリフが好きでね、しゃべりながら台本にペンでなにやら書き込んでいく。
「卒業公演、絶対見に行くよ。今から楽しみだもん」
私よりも頭が良くて、私よりも器用で、素敵な君だから、私よりも幸せになってほしかった。
事故だった。
Негізгі бет 2191724323
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