スペインの神学者であり、インターネットの守護聖人として知られるイシドールスを紹介します。
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こんにちは。人からわかる3分技術史。
今日はイシドールスについて勉強していきましょう。
セビリャの聖イシドールス。560年頃の生まれ。スペインの神学者であり、インターネットの守護聖人として知られます。
イシドールスは、ユスティニアヌス1世時代の東ローマ帝国、現在のスペインにあたるカルタヘナに生まれました。
イシドールスの家系について詳しくはわかっていません。裕福な名家に生まれたと考えられています。両親は、イシドールスが幼い頃に亡くなりました。そのためイシドールスは、セビリャに住む歳の離れた兄であるレアンデルに育てられました。
レアンデルは優秀な修道士であり、579年にはセビリャの司教に任命されました。また、同じくイシドールスの兄弟であるフルゲンティウス、フロレンティナはのちにいずれも修道士としてスペインのキリスト教会で重きをなしています。イシドールスは、そういった兄弟たちに囲まれながら、修道士としてのエリート教育を受けたと考えられています。
当時のキリスト教は、313年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世が公認したのち、従来のローマ宗教を根絶し、ヨーロッパの中心的な信仰となっていました。しかしそのなかで、キリストを神と考えるカトリックと、キリストを人間と考えるアリウス派が争っていました。
そのなかでイシドールスと兄弟たちは、東ゴート王国のレカレド1世をアリウス派からカトリックに改宗させました。
600年にレアンデルが亡くなると、40歳ごろのイシドールスは、その跡を継いでセビリャの大司教に就任します。それ以後イシドールスは、スペインのカトリック教会の指導者として、また、当代最高の知識人の一人として、知られていくこととなります。
そしてイシドールスが著した書籍が『語源』です。イシドールスの時代までに、ギリシャからローマに続く古代の叡智が、戦乱の中で数多く失われていました。イシドールスは残された古代の知識をまとめ、百科事典として書き上げたのが『語源』です。『語源』はこれ以後広く流通し、ルネサンスに至るまで、総合的な知識書として、中世の知識人に大きな影響を与えました。
636年、イシドールスは76歳ごろに亡くなります。『語源』をはじめとする書籍に残されたイシドールスの膨大な知識は、のちにコンピュータ用語である「データベース」に対比されました。そして1999年、イシドールスはカトリック教会により「インターネット利用者およびプログラマー」の守護聖人と認定されました。
現在においても、インターネットの守護聖人として、また、ラテン世界最後の知識人の一人として知られています。
以上!
Негізгі бет 3分でわかるイシドールス【インターネットの守護聖人】
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