3年ぶりに復活した郡上おどり。踊りの町を盛り上げようと奮闘する、地元愛たっぷりな女性に密着しました。
町に響く、おはやしと、下駄の音。400年の歴史をもつ、奥美濃の夏の風物詩、郡上おどり。
去年までの2年間、新型コロナの影響で中止を余儀なくされましたが、今年、感染対策を講じて開催されています。
「ぞくぞくします。めちゃうれしいです。涙出そうな…」(はなかご 山根さきさん)
3年ぶりに帰ってきた、郡上の夏の記録です。
郡上産の鼻緒づくりを
清流と緑の城下町、岐阜県の郡上八幡。
その中心部に、雑貨店「はなかご」があります。店にずらりと並ぶ下駄には、華やかで色鮮やかなデザインの鼻緒が。
「これが私たちが手がけた、オール郡上産の下駄です。綿がたくさん入っているので、普通の鼻緒よりも、柔らかくてふんわりしています」(はなかご 山根さきさん 27歳)
オーナーの吉澤英里子さんとともに取り組んできたのが、郡上産の鼻緒づくりです。
「(鼻緒を)県外で作っていると聞いて。目の前に郡上おどりというマーケットがあるのに、なんで作らないんだ。もったいないと思ったんです」(はなかご オーナー 吉澤英里子さん)
郡上出身の山根さきさん。以前は東京で働いていましたが、吉澤さんの思いに共感し、2年前にUターンしてきました。
初めてのミシン、扱いにも一苦労。
「郡上に仕事がないと思っていたんですけど、仕事を作ることができるんだという新しい発見もあって。背中を押してくれる人が多いので、郡上は何でもできる土地だなって帰ってきて思いますね」(山根さきさん)
地元の福祉作業所とコラボ
吉澤さんと山根さんは、「踊りの町に新たな産業を作りたい」との思いから、地元の福祉作業所と手を組み、鼻緒の生地を入所者に手織りしてもらっています。
「利用者さんの好きな色の糸で自由に織る。世界に一つだけの織物が作れる。若い方が郡上のために動いて声をかけてくださって、うれしい限りです」(障害福祉サービス事業所みずほ園 村瀬真子さん)
郡上おどりは2年連続オンライン開催
地元に戻って、鼻緒づくりに関わり始めた矢先。コロナの影響で、郡上おどりは2年連続中止となり、オンラインでの開催に。町から、下駄の音が消えました。
「下駄の音のしない郡上の夏は、本当に皆さん寂しかったと思います。(山根さんが)せっかく鼻緒づくりで来てくれたのに、鼻緒をどんどん作ることもできない」(はなかご オーナー 吉澤英里子さん)
「頑張っていることがなかなか結果として目に見えにくい状況があったのと、踊りがないと地域の方、踊りファンの方も気を落とされる方がすごく多くて」(山根さきさん)
復活!郡上おどり
「郡上おどりの開幕を宣言いたします」(郡上市 日置敏明 市長)
郡上おどりの復活は、誰もが待ち望んでいたことでした。
「はなかごさんの下駄を履いて踊りました。最高です!」(山根さんの下駄で踊る人)
自ら手掛けたげたが、初めて踊りの輪へ。
「すごくうれしかったですね。下駄の音も郡上おどりの曲の中の一つの楽器だと思うので、私も関わっている下駄が一緒に入って踊っているのが、よりうれしいですね」(山根さきさん)
下駄のPRにも奮闘
翌週、名古屋の百貨店に山根さんの姿が。
「皆さんこれで踊られる?」(お客さん)
「これじゃないとだめって言う」(山根さきさん)
「そうなんだ」(お客さん)
「音を鳴らして踊るので」(山根さきさん)
踊りの日程の合間を縫って、浴衣販売のイベントに出店。下駄をPRする絶好の機会です。
「郡上に行ったことがないような反応が多かったので、ちょっと寂しい思いもありつつ、でも行ったことがないということは、いい所をもっと広められるチャンスだなと思った」(山根さきさん)
お盆だけの「徹夜おどり」
郡上おどり、クライマックス。お盆だけの「徹夜おどり」です。
「お待たせしました」(山根さきさん)
「かわいい!」(お客さん)
「この子私の推しなので、お嫁に行ってくれてうれしいです。楽しんできてください!行ってらっしゃい」(山根さきさん)
日が落ちるにつれ、踊りを待ち焦がれたお客さんで店内は賑わいを見せました。
「徹夜おどりの光景を再び見ることができた」
「徹夜おどり」は例年夜明けまで踊り続けますが、今年は感染対策で午前1時までです。
午前0時。店の仕事も落ち着き、山根さんは浴衣に着替え、踊り会場に繰り出します。
「初日もドキドキしましたけど、やっと徹夜かと思ってドキドキします。会場に行ってどんな感じか想像がつかないので」(山根さきさん)
踊り会場で鳴り響く下駄の音ー。
「短縮、短縮で思うように踊れない人もいるかもしれないけど、この徹夜おどりの光景を再び見ることができてうれしいです」(山根さきさん)
3年ぶりに帰ってきた郡上の夏も、終わりが近づいています。踊りの復活を見届けた山根さんには、ある願いが。
「私たちの少しずつの活動から郡上を知っていただくことができたらなって。“郡上愛”があふれる人たちが増えることが私の喜びなので、願いはそこにあります」
(9月1日 18:15~放送 メ~テレ『アップ!』特集より)
Негізгі бет 3年ぶり"復活"郡上おどり 待ち焦がれた「踊りの輪」若き鼻緒職人の思い (22/09/01
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