愛知県豊橋市の豊橋鉄道市内線は全線約5キロと短い。ただ、変化に富む沿線の景色や季節ごとに趣向を凝らす特別車両など、乗る度に新しい発見がある。
まずは起点のJR豊橋駅前から電車に乗った。出発すると、レトロ調の街路灯が並ぶ駅前大通りから、国道1号に乗り入れる。東海道をルーツとする国道1号を走る路面電車は唯一無二だという。
1号線から別れると、力強くモーターが回り、重低音をあげる。停留場の前畑から東田坂上までは急坂だ。ここを駆けあがると、町並みが夕焼けで染まる撮影スポット。電車を降り、カメラを構えた。夕日が少しずつ沈み、坂の下から電車の車体が浮き上がるように姿を現した。待っていた瞬間。夢中でシャッターを切る。
運行に40年間携わる今泉隆優さんは、ここが一番好きな場所という。「秋分の日のころは、太陽の落ちる位置が正面へと変わっていきます。一番いい時期ですね」。
終点に近い井原交差点では、半径11メートルという日本一急なカーブ。電車は線路から外れるように曲がる。線路から大きく車体をはみ出しながら走行する姿はなかなかの見ものだ。
一方、平成5年から始めた飲食を車内で楽しめる特別車両も大人気。中でも冬場に、おでんを振る舞う「おでんしゃ」は今や豊橋の冬の風物詩だが、コロナ禍で昨年は途中で中止になった。再びおでんを車内でいただける日が待ち遠しい。
Негізгі бет 【4K】街行く路面電車 豊橋鉄道市内線
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