白磁の人間国宝・井上萬二さん。16歳から作陶を始め、今年で92歳になる井上さん。新型コロナが収束したらすぐにやりたいこととは‥。
【人間国宝・井上萬二さん】「3月がきたら92歳になります。歳だと思ったら作品も枯れるし、自分自身も枯れてくるから俺は歳だと思わないでいつまでも現役で万年少年じゃないとだめなんです」
穏やかな表情で語るのは「白磁」の人間国宝・井上萬二さん。その造形美は白磁の神髄と評されます。井上さんの白磁は有田町の工房で生まれます。【人間国宝・井上萬二さん】「終戦後、昭和20年予科練から帰ってきて「有田の焼き物を継いでくれ」と言われて修練に入った。だからちょうど75年。ひたすらに75年やっています」
陶芸と向き合い続け75年が経った2020年は井上さんにとって「良い年」とは言えませんでした。【人間国宝・井上萬二さん】「(2020年は)一番悪い年。コロナは蔓延するし、子供の不慮の死があって」去年8月、井上さんの後継者として新しい白磁の世界を作り上げていた長男・康徳さんが他界。62歳でした。【人間国宝・井上萬二さん】「毎日仏さんに参るときは嫌ですね。写真を見るのも嫌。今でも涙が出る。」
井上さんの心の支えとなっているのは2012年に陶芸の道に入った孫の祐希さんです。【人間国宝・井上萬二さん】「孫を育成しなくてはいけないから孫が10年くらいしたら焼き物の在り方、経営とかあらゆる面で分かってくれるだろうからあと10年は生きていないと。」【孫・祐希さん(32)】「言い合いになります。仕事のことから生活のことから時代が、感覚が違うから。うちで(萬二さんに)歯向かうのは祐希だけ、と言われます。」そう言って笑う祐希さんですが井上さんの思いはしっかりと伝わっているようです。【孫・祐希さん(32)】「分からないことばかりだがやるしかない。周りの期待もありますし父がやり残したことにも応えていかないと。」
今年の仕事始めとなる「初窯出し」。およそ200点の作品を取り出しました。【人間国宝・井上萬二さん】「完璧と言っていいほど出来が良かった。いい年になるんじゃないかと期待している。祐希の作品も面白いアイデアで。出来は悪くはないけど、アイデアは面白い。今から10年間でしっかり技術を身につけて、自分の好きなアイデアをやっていけばこれに勝るものはない。」
今年の目標は?【人間国宝・井上萬二さん】「ニューヨークに行ってアメリカで個展しようと話していたが、2020年はコロナで海外に行くことができなかったから、2021年は(コロナが)収束したらすぐ行って、展覧会をしようという意欲を持っている」今年は良い年になりますように、と願いを込めて76年目の作陶人生のスタートです。
Негізгі бет 白磁の人間国宝・井上萬二さん(91)新型コロナ収束後にやりたいこととは (21/01/09
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