「稲荷祝詞(いなりのりと)」の奏上(字幕付き)です。現代語訳は下記(最下段)をご参照下さい。
「稲荷大神=お稲荷様」にご加護を願う祝詞ですが、そもそも「お稲荷様」とはどのような神様か?というテーマは奥が深いです。定説とされているのが稲荷神=「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」です(古事記での御神名で、日本書紀では「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」と表記される)
稲荷神社の総本山「伏見稲荷大社」の主祭神とされますが、公式に断定されてはいません。稲荷信仰で重要な祝詞「稲荷大神秘文(いなりおおかみひぶん/ひもん)」では、「豊受大神(とようけのおおかみ)」と暗示されています。伊勢神宮 外宮(げくう)にお祀りされる神様と言えば、お分かりでしょう。その御神威の流れは「国之常立神(くにのとこたちのかみ)→豊受大神→宇迦之御魂神=稲荷大神」と考える教派・学説も有力です。
伊勢神道・吉田神道系では「豊受大神=根源神の一柱」とされますが、京都元伊勢「籠(この)神社」の奥宮「眞名井神社」でお祀りされる「豊受大神」も「天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」と同一神と伝えています。
いずれにしても、豊受大神は五穀豊穣・衣食住・諸業の繁栄を司る神様であり、その御神威の流れを汲む稲荷神も、非常に強大な神様として古くから崇められてきたわけですね。
なお、稲荷様といえば「狐・キツネ」を連想しますが、あくまで稲荷神の眷属(けんぞく)・神の遣いです。もちろん、ご祭神が不在となった社(やしろ)に霊力ある狐が鎮まり、それが狐神として崇められた場合はありますが、あくまで狐神であって稲荷神ではありません。
ちなみに、なぜキツネが稲荷神の眷属になったかの由来は『ホツマツタヱ』天の巻8に記されています。狐の好物「油揚げ」も 元々は「ネズミの油揚げ」でした。殺生を避ける寺社でネズミを揚げるわけにもいかず、御飯などを詰め ネズミに似せて捧げたのが「稲荷寿司」の原型と言われます。
・・と、脱線しましたが、お稲荷様・キツネ様にご縁を感じる方だけでなく、五穀豊穣を司る強大な神様に対して感謝と敬意を持って奏上されると、大きなご加護がある祝詞です。
稲荷祝詞の言霊(ことだま)も強力です。聞き流すよりは、意識的に「文字」を追いながら心の中で奏上されると良いでしょう。もちろん、心を静めて音読されるのが一番です。
【稲荷祝詞の大意】------------------------------------------------------------------
御神名を言葉に出すのも畏れ多い稲荷大神様の御前にて、畏れながら申し上げます。
朝も夕も 懸命に果たしております自らの役目(家事・仕事・経営)を、これからも気を抜いたり怠けたりすることないよう、さらに励まし お助け下さり、家族(一族)が勢いよく発展していけますように
いつまでも変わることなく末長く、これから遥か未来の子孫に至るまで、これ以上なく見事に茂った桑の枝のように、繁栄させて下さいますように
家庭にも自身にも、災いの神による災厄が起こることが無く、もし 過ちを犯すことがありましたなら、禍を直す神々「神直日神様・大直日神様」に 過ちを正して頂き、
夜の守護・昼の守護を通してお守り下さり、幸せに過ごさせて下さいますようにと 畏み(かしこみ)畏れながら申し上げます。
#稲荷 #祝詞
Негізгі бет 稲荷祝詞【お稲荷様にご加護を願う祝詞】五穀豊穣・衣食住など生活すべてを司る神様<宇迦之御魂神・倉稲魂命/豊受大神>
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