「わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。」(『方法序説』岩波文庫版、谷川多佳子訳、原文フランス語) Cogito ergo sum(コーギトー・エルゴー・スム)のようにラテン語風に言うとすれば、 Divide et impera(ディーウィデ・エト・インペラー)という決まり文句があり、 これを英訳したのがDivide and Conquerだが、Divide and Ruleという訳の方がしっくりくる。 ヴィトゲンシュタインの「見渡せることは発明だ」という言葉も同じようなことを語っていると思われるが、 例えば円周率のように記述するだけで黒板やノートが埋まってしまう上にいつまでも完了しないような数をπと置くことで容易に利用可能にする事情をも表していて好き。 あ、コンピュータは「見渡す」ことができないんだっけ。
水野さんが何度も「“log”って説明大丈夫ですよね」と自分は分かってても非理系目線で極力解説しようとしてるのに、堀元さんは「は?そんな基本中の基本に説明要る?」みたいなスタンスでグイグイ先進むのオモロ。でも楽しそうに話してるのが一番人の学習意欲を高めるのでヨシ。 Divide and Conquer (Divide and Rule)はローマから始まり特に大英帝国が用いた帝国主義の植民地運営の方法だけど、分断し怒りや不満の矛先をお互いに向けさせるよう工作し、宗主国は仲裁するかたちで双方を支配した。ローマ帝国の辺境だったブリタニアがビクトリア時代という黄金期を迎え「太陽の沈まない国」になったのはこの手法によるからに他ならず、無敵なのは実証済みなのだが、分断する政策は報復に報復を重ねる現代の紛争の種を世界中に撒き散らすことになった。英国植民地だった地域と関わっていると、どうしてもこの言葉にネガティブなイメージを持ってしまう…。でも、親の数を上回る子どもがいる家庭ではこのDivide-and-Conquer手法で挑まないとこっちがやられる!
困難は分割せよ、ってのは厳密じゃなくて、 正確には、論理学のルール多すぎて面倒だから、4つでよくね?ていってそのうちの一つ。 原文は、Le second, de diviser chacune des difficultés que j'examinerais en autant de parcelles qu'il se pourrait et qu'il serait requis pour les mieux résoudre. (第二は、私が吟味する諸問題のおのおのを、できる限り多くの、しかも問題をよりよくとくために必要なだけの小部分に分けること)(山田弘明訳『方法序説』38頁) このde diviser chacune des difficultés(問題の一つ一つを分割すること) が、意訳されてるんだと思う。
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