東海道本線の全線電化が近づき、様々は提案がなされ、最高速度120キロで東京大阪を6時間半で結ぶことが目標とされたのです。
電車がまだにぎやかで乗り心地が悪かった当時、優等列車は客車というのが常識で、強力な電気機関車開発が急がれたのです。
そのような中誕生した貨物用エッチトオ、戦後設計の本格的な大出力機関車でした。
当然この技術を使った旅客用機関車が検討されることとなります。
たとえ東海道本線でも重い機関車での高速運転は軌道破壊が大きく保線が大変になります。
積車状態の電動車並、目標軸重を13トン以下とし、さらに高出力を目指したEHごおまるが提案されました。
ちょうど同じころに新技術による軽量客車、ナハ10の試作車が誕生、
この性能試験も兼ねて、エッチトオによる速度向上試験が計画されたのです。
エッチトオの15号機は、新製当初から高速試験用に設計変更されていました。
電動機は同じ出力ながら高速回転タイプとすることで一個あたり1トンの軽量化を実現、
減速比も変更され120キロ以上の高速運転が可能な仕様となりました。
車体は黒ではなくぶどう色に塗装され、試験編成は旧型客車1両、新型のナハ10を2両、軌道計測、動力計測車両2両の構成となったのです。
計測用車両は 旧型の展望車や寝台車からの改造車で、オヤ19が軌道計測、マヤ38が動力計測を担当しました。
両者とも3軸台車を履き、計測用車輪がさらに1軸装備され、各車7軸という異様な構造でした。
試験区間は駅間距離が長く直線の長い金谷、浜松間で行われ、120キロを達成
機関車自体の走行安定性は良好で、東京大阪間6時間半運転の期待は高まりました。
参考資料
鉄道ファン1976年6月号 交友社
EH10形電気機関車 日立評論 第36巻第11号
幻の国鉄車両 JTBパブリッシング
CGはじめました。 turbotrain.net/CG.htm
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