大阪経済大学グリークラブ創部25周年記念委嘱作品
「羇旅(たび)の歌一首ならびに短歌」
詩 若宮年魚麻呂(万葉集巻三雑歌より)
曲 服部公一
フルート 橋爪えり子 大阪音楽大学フルート専攻4回生
小太鼓 富田雅信 大阪音楽大学打楽器専攻3回生
芦田吉光 大阪音楽大学打楽器専攻2回生
指揮 益尾匡則
1979年12月11日 第15回定期演奏会
於 森ノ宮ピロティーホール
演奏会パンフレットより
私は、ここ数年、日本語の持つ音楽性、乃至は響きについて考え続けています。
バッハもベートーヴェンもラヴェルもみな美しいと思っていますが、それらが日本語で歌われるとき、その魅力の何十パーセントかは消えてしまうのです。
勿論それは当然の話で、何もここでこと新しく申し上げる必要もないくらいです。
しかし、それにつけても、我らの日本語は日本人の作曲家によってないがしろにされすぎているのではないか、と思うのです。
近年、声明の研究が盛んに行われています。つまり日本語の音楽的源流を求めての行為なのです。
私は声明のような仏教音楽について研究したことはありませんが、学習院大の大野晋先生や女優の関弘子さんなどによって行われている、古代日本語の音楽的研究などには十分の関心を払っています。
本日、大阪経済大学グリークラブによって初演される小曲は、そのような私の関心の延長上にあるとお考えいただきたいのです。
そして、その種の音楽的表現のために万葉の歌はふさわしいと考えます。
この曲は、その詩を万葉集巻三雑歌の中から、長歌及び短歌の一組に求めました。
雅やかな名前のこの作者「若宮年魚麻呂(あゆまろ)氏についてはいろいろ聞き廻ったのですが、どうもよくわかりません。
この一組の詩が淡路島を歌って美しく、大阪の青年諸氏に歌っていただくに全くふさわしいと思ったので、この作品に材を求めました。
曲の前半、長歌は、今申し上げたような古代日本語的メロディーによっていますが、反歌になるといわゆる機能和声処理になります。
服部公一
Негізгі бет 服部公一作曲(1979年委嘱作品)男声合唱曲「羇旅の歌一首ならびに短歌」大阪経済大学グリークラブ第15回定期演奏会 第4ステージ
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