風の家機関誌『風』105号に掲載された井上洋治神父のエッセイ「遠藤さんのこと」の録音です。(朗読:後藤千満子)
リジューの聖テレーズの自叙伝『小さき花』によってキリスト教信仰に導かれた井上青年は、一途にその霊性を生きたいと願い、テレーズの属していたカルメル会の修道院に入会するために1950年に渡仏します。戦後初のカトリック留学生に選ばれた遠藤青年に出会ったのは、まさにそのフランスに向かうマルセイエーズ号の四等船でした。
その後井上と遠藤はそれぞれが、修道者とカトリック文学を研究する留学生という違う立場からフランスで学びを深めていくなかで、キリスト教を真に自分のものにするためには、自分が日本人であることに向き合わざるを得ないことを強く自覚し、その重い課題を背負って帰国します。
日本で再会した両者は、日本に根づくキリスト教を求めるという同じ課題をお互いに共有していることに気づき、「背中合わせの戦友」として生涯、支え合い、影響を与え合いながらキリスト教の文化内開花の使命に従事していきました。
(詳しくは、山根道公『遠藤周作と井上洋治―日本に根づくキリスト教を求めた同志』、日本キリスト教団出版局、2019年。)
Негізгі бет 【朗読】井上洋治神父エッセイ「遠藤さんのこと」(抄)
Пікірлер: 3