紀伊家の中小姓、笠折半九郎と畔田小次郎は主君頼宣の側近に仕えて二人とも深く愛されていた。二人は無二の友であった。しかしひょんな事から喧嘩となり果し合いの約束をしてしまった。だが当日の朝、頼宣留守の城内で火事があり天守閣と櫓の一部が残っただけで城はほとんど焼けてしまった。二日後に帰城した頼宣は防火の労をねぎらい、又それぞれの恩賞の沙汰をした。しかし宝物を角櫓へ移して守った半九郎には火事場のことにはふれず当日の小次郎との果し合いについての問いかけだけであった。恩賞の沙汰はなかった。主君頼宣の真意は…?小次郎との果し合いは…?
優れた主君の下に仕える二人の友情は羨ましい。
Негізгі бет 【朗読】山本周五郎「笠折半九郎」 「今貴公の家へ立ち寄って、多分ここだと思ったから火事装束を持ってきた、馬も曳いてきてある、果し合いはまたのことだ、貴公は櫓番之頭だぞ」「小次郎、かたじけない」
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