御鳥見役は江戸幕府歴代将軍が鷹狩を愛好した事から、若年寄の支配に属し、鷹場を巡邏して、鷹に捕獲させる鳥の群生状態を確かめる役目を果たした。また、大名屋敷・旗本屋敷・寺社・幕府領など、どこでも立ち入ることが許されていたため御庭番と同様に動静を監視する役割があったと言われている。そんな御鳥見役という仕事を代々受け継ぐ矢島家で、内助の功を発揮する珠世と家族達の物語。
今作では、当主伴之助が秘密の任務を仰せつかり出立したが、ひと月も便りがなく、家族の胸の内はそれぞれ複雑だ。時は春。盛りのついた猫がウロウロする中、どこやら人間様にも恋の気配が・・・。さてさて、誰と誰のお話でしょう。
*作家 諸田玲子さまの承諾を頂き、ご厚意により公開いたします。
『お鳥見女房』(2001年6月)新潮社 所収
🌹諸田玲子さまのオフィシャルサイト www.r-morota.net/
◎主な登場人物
矢島伴之助 御鳥見役。珠代の夫で矢島家の婿養子。性格はきわめて温厚で律儀。
珠世 伴之助の妻で久右衛門の娘、4人の子供の母。矢島家の中心的人物
久右衛門 代々御鳥見役を継ぎ、現在は隠居
久太郎 長男。御鳥見役を継ぐべく見習い役として出仕
君江 次女
久之助 道場の指南役として後輩の指導に当たる
石塚源太夫 果し合いの上、許しを得て脱藩。浪人の身になって久右衛門を頼って江戸に出て来た。子供が五人いる。
沢井多津 小田原藩重臣だった父の仇と源太夫のことをつけ狙う。
久保早苗 同じ組屋敷に住む後家の38歳
▼耳で聴くだけではわかりづらい文中の表記、意味などについて
運針(うんしん)和裁の手縫いの基本で、表裏同じ縫い目に縫う手法をいう
稚児(ややこ、ちご)乳児、幼児のこと
後家(ごけ)夫の死後、再婚しないでいる女。やもめ。未亡人
出仕(しゅっし)勤めに出ること。また、主君の前に伺候すること
無骨(ぶこつ)洗練されていないこと。無作法なこと
難儀(なんぎ)面倒なこと、苦労なこと
八双(はっそう)刀やなぎなたを、右手側に真っ直ぐ立てる構え方
鍔ぜり合い(つばぜりあい)お互いに刀を振り合った後に鍔の部分で押し合うこと、転じて、勝負などにおいて激しくやり合うこと
門弟(もんてい)門人・門下生・高弟・愛弟子。師に仕えながら、学問や技芸などの教えを受ける人
帰途(きと)帰り道
御徒目付(おかちめつけ)徒目付は、小人目付や徒の者、表火の番などから昇進する御目見得以下(おめみえいか)では最高の役職とされ、100俵5人扶持(組頭は200俵高)で60人ほどいた
嫡男(ちゃくなん)正妻の生んだ最初の男子。長男
魚籠(びく)釣りをするときに持って行く、竹や網で作られたかご
激昂(げっこう)いきり立つこと。激しく怒って興奮すること
閉口(へいこう)手に負えなくて困ること
後世(ごせ)来世(らいせ)。死後の世
酌量(しゃくりょう)事情をくみとって、手加減すること
茅屋(ぼうおく)茅葺きのみすぼらしい家。あばらや。また、自分の家をへりくだっていう語
狼狽(ろうばい)うろたえ騒ぐこと。あわてふためくこと
時節(じせつ)自然の移り変わりによって感じられる時分。季節
気ぶっせい 相手に親しみにくく、気づまりなこと
ぞんざい なげやりで乱暴なこと
絎け方(くけかた)縫い目が表に見えないように縫うこと
癇癖(かんぺき)神経質で激しやすい性格。おこりっぽい性質
再嫁(さいか)女性が二度めの結婚をすること。再縁
逡巡(しゅんじゅん)決心がつかず、ためらうこと。しりごみすること
大尽(だいじん)財産を多く持っている人。財産家
妬心(としん)ねたむ気持。嫉妬心
直裁(ちょくさい)きっぱりと直ちに
けげんな 不思議で納得がいかないこと
磊落(らいらく)心が広く、小さいことにこだわらないこと
発句(ほっく)俳句
面目(めんもく)世間や周囲に対する体面・立場・名誉
界隈(かいわい)そのあたり一帯。付近
♫ お好きな場面からお聴きいただけるように ♫
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はじめに 0:21
一 1:24
二 11:16
三 16:15
四 23:17
五 33:48
六 47:47
七 55:42
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