私の本業ど真ん中である住宅設計「新築一戸建てvol.11」のお話しです。
二世帯住宅のご紹介としては第二弾となります。
今回の後編を含め、全2回でお届けします。
ちなみに二世帯といっても、ご夫婦それぞれのより良い暮らしを叶えた「華麗なる一人暮らしの家」です。
【物件データ】
所在地:大阪府
延床面積:62.26坪(205.84㎡)
敷地面積:109.48坪(361.95㎡)
それでは、奥様世帯の住宅をご紹介していきます。
(ご主人様世帯は前編をご覧ください→ • Video )
「築20年の住友林業が建てたお家を建て替えたい。」
施主様の意向を受けて、息子さんからお電話をいただきました。
さすがに私も、その築年数の(住友林業さんの)家なら建て替える必要はないんじゃないですか?とお話しました。
実際に親御様とお会いしても意思が固い様子。
「残りの人生を豊かにしたい。」そうお母様が仰られました。
それほど長くはない残りの人生を、後悔なく楽しんで暮らしたい。
そんな気持ちが胸に刺さり、設計がスタートしました。
玄関に入ると、ミラー付きのシューズクローク。
いつもの定番ですが、標準の1.6mから2.0mワイドに大きく変更しております。
お客様が多くいらっしゃる奥様のために、1階玄関ホールの手洗いを美しく造作しました。
まず目に飛び込んでくるのは、タイル張りの美しい壁面。
平田タイルのHi-Ceramicsから、ダリア(品番DAL-G)をチョイス。
いや〜美しい。
「平田タイル:Dahlia(ダリア)」
tiles.hiratatile.co.jp/series...
ボウルも平田タイルから、シュイ コンフォートを合わせました。
「平田タイル/SHUI COMFORT ROUND 40」
hits-online.jp/cielo/shuicomf...
角張った水栓は、オブジェのような佇まいです。
床はホールと同じくブラックチェリーで統一。
横の扉を開けると、カラフルな自然柄のクロスがお出迎え。
私が度々ご紹介している、モリスの壁紙ですね。
ここが広めに設計した1階のトイレとなります。
ホールを挟んで反対側のドアを開けると約11帖の音楽室が広がります。
このドアは防音扉です。
淡いピンクの壁面と相性の良いグレーの天井クロスと、ダウンライトが生む陰影によって、大人っぽい空間をデザインしました。
このお部屋には複数人で集まりますので、クロークと5段収納。
バッグなど、手荷物が置ける天板付きキャビネットと吊戸棚。
アップライトピアノの上にも吊戸棚を造作し、楽譜などをたっぷり仕舞えるようにしています。
もちろん、二重サッシで防音性を高めています。
オフホワイトのカーテン(マナトレーディング)は、美しいドレープ感を楽しんでいただけるよう、掃き出し窓だけでなく腰窓にも床まで贅沢に垂らしております。
洗面脱衣室は奥様の希望で、玄関ホールやキッチンからのアクセスを可能にしました。
7帖程度の中に、ファミリークローク(フィルフィットx2)、オープンのハンガーパイプクローク、5段収納、畳む・アイロンがけ・収納ができる天板付きキャビネットと吊戸棚、洗面台(1,200mm)、リネン庫、乾太くん、といった盛々の収納スペースが詰まっています。
このエリアだけはポップなグリーンの空間にして、家事を元気にこなしていただけるエネルギッシュカラーを選びました。
お風呂は1618サイズ、壁面が今はなきオンダガタライトブラウン。
先日お邪魔した際に見せていただくと、驚くほど綺麗に保たれていました。
日々愛情が注がれていることが見て取れる、そんなバスルームで嬉しかったですね。
KDLに入っていくと、壁面に埋め込み造作した美しい食器棚が目に入ります。
ブラックガラスの扉の中がライトアップされるように設計しました。
ここにはご自身で制作されものや、コレクションされたグラスや食器が並びますので、美しく壁面内に収まる施工をしています。
アイランドキッチンの背面には、パントリーx2、カップボード、冷蔵庫。
側面には2つ目の冷蔵庫(冷凍庫)とガスオーブンが隠せるように設計しました。
キッチン横からウッドデッキへ出ると、お手入れのし易い人工芝が広がります。
リビングには3.4mのソファ、ダカーポ(アイラーセン)が鎮座します。
この素晴らしい座り心地のソファは以前の動画でキャッチアップしました(→ • 【人生が変わるソファ】座り心地‥もはや寝心地... )ので、よろしければご覧ください。
このソファはアクタスで取り扱いがありますが、店舗に展示がないからお客様に見せられない!
と訴えていたら展示している店舗が増えてまいりました笑
気になる方は店舗に確認してから行ってみてください。
「ダカーポ システムソファ」
www.actus-interior.com/produc...
また、ソファの後ろは出窓化して観葉植物を置く場所に設計しています。
もちろんK22サイドテーブル、ラグを合わせてインテリア性豊かに仕上がっております。
2階に上がっていきますと、ここにも奥様のスペースがあります(ご主人様世帯と居住スペースを分けて設計)。
廊下に吹き抜けがあり、1階のKDLを望めるように設計。
気持ち良い吹き抜けを進むと、モリスの壁紙が美しい寝室へ。
こちらにはフィルフィット、シーズンクローク、扉付きのアウター用クローク、ブックシェルフ、ミラー、で構成した約9帖のベッドルームです。
ここからバルコニーにも出られます。
寝室の横にはトイレと、その手前には大きな窓があります(上げ下げ窓+FIX窓)。
外観デザインの中で、最も印象的なファサードを構成する窓の一つです。
ロールスクリーンを入れてデザイン性を損なわないようにしています。
さらに、今まで使われていたタンスなどを置きたいとのことでしたので、トイレの横に納戸にあたる6帖程の予備部屋を設けました。
とにかくこのお家は高低差があり、造成から建築まで大変でした。
求める快適性や美しさのために、スケールの違うものの組み合わせを多用したからに他なりません。
キッチンの奥行き、カップボードの奥行き(通常55cm→変更60cm)、トイレや階段などはメーターモジュールで、また910mmにモジュールチェンジしていく、等々細かくスケールを攻めに攻めた家となっています。
大変でしたが、美しさと快適さのコラボレーションを追求させてもらえたので、個人的にとても楽しくて思い出深いものとなりました。
もちろん、寒さ暑さに対処済みの設計が前提のお話です。
ネームバリューや年間着工棟数、売上規模とか色々、そのあたりを大々的に謳う会社よりも大切なこと、それは人選びです。
これから家づくりを考えていらっしゃる方は、手を抜かずにより良い暮らしを、ポリシーを持って手掛けてくれる設計士探しをして欲しいと切に願っております。
【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。
だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。
照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。
私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。
照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。
暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。
コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。
美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。
@tomoyaoshimura1993
【チャプター】
00:00 告知
00:43 イントロ
01:08 オープニング
01:50 1階インテリアの紹介
07:56 水周りのインテリア紹介
11:35 2階居室のインテリア紹介
16:25 KDLのインテリア紹介
26:15 今回の住宅でこだわったポイント
30:12 美しさと暮らしやすさを追求する家づくり
35:38 エンディング
Негізгі бет 【美外観・美インテリア】オーダー&建築の寸法変更を多用▶細かくスケールを攻めに攻めた結果▶新・二世帯住宅「別々の、より良い暮らし」が完成《ルームツアー | 新築一戸建てvol.11・後編》注文住宅
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