2024年07月12日放送
きょう行われたアメリカ軍人による2つの裁判は、どちらも凶悪犯罪に分類される非常に悪質なものです。このほかにも県内ではアメリカ軍関係者による犯罪が起こり続けていて、近年は増加傾向にあります。どうすれば犯罪を防げるのかを専門家の話を交えながら考えます。
繰り返されるアメリカ軍関係者による凶悪犯罪。ことしに入り海兵隊員によるコンビニ強盗が発生、そして捜査当局が公表していなかった性暴力事件が3件発覚し、県民から怒りの声があがっています。
県警の統計では、日本に復帰後、アメリカ軍関係者の検挙が6163件あり、殺人・強盗・不同意性交などの凶悪犯罪は584件にのぼります。そのうち、強盗事件は398件、不同意性交は134件と凶悪犯罪の大半を占めています。
過去10年ごとに見てみると事件の検挙件数自体は減少傾向にあるものの、2014年から去年までの10年間では402件もあります。去年の検挙件数は72件となり、4年前の2倍あまり増えるなど増加傾向にあります。さらにことし5月末までの凶悪犯罪の件数は5件にのぼり、この10年では最悪です。
野添准教授「(米兵は)アメリカという国家を代表した人々なわけですね、同じ組織の人々が繰り返し、繰り返し凶悪犯罪を犯すということはやはり(組織に)問題があると」「(米軍は)日米安保条約のもとで日本の安全保障を守るために沖縄県民が望まないにも関わらず、沖縄に集中しているわけですね、なので普通の人々と米軍を同じ風に見ることはできないと思いますね」
アメリカ軍基地を巡る日米関係などを研究する沖縄国際大学の野添文彬准教授はアメリカ軍関係者の犯罪を防ぐために、日本とアメリカが率先して兵士の教育の見直しや行動制限などの具体的な対策を取るべきだと主張します。
事件・事故発生時に地域に及ぼす影響を最小限にするための対策のひとつが、1995年の少女暴行事件をきっかけに1997年に日米合同委員会で決定された「通報体制」です。軍関係者による事件・事故が起きた際、「正確かつ直ちに」地域社会に知らせることが重要だとし、アメリカ側は外務省と沖縄防衛局にできる限り速やかに通報し、それを県や市町村に通知するルールになっています。
しかし、外務省は今回「プライバシー保護」などを理由に捜査当局から情報を受けていたにも関わらず、去年からことし6月までに起こった性犯罪5件を県に伝えていませんでした。さらに軍も沖縄防衛局に通報していなかったことが明らかになっています。
県・地元自治体・県民からは抗議の声があがり、5日に政府は「例外なく県に伝達する」と通報体制を改めました。玉城知事は「一歩前進」と評価はしましたが、野添准教授は「当たり前」の体制になっただけと話します。
野添准教授「97年にできた通報体制がここまで日本政府あるいは米軍側の恣意的な判断によって運用されているというのは驚いたというのが今回の事件で思った正直なところ」「今回実は日本政府側の姿勢によって通報されていなかったこと自体が問題なわけで通報体制を改めるといっても本来あるべき姿に戻ったというだけのように見える」
軍関係者の凶悪犯罪が起こるたびに浮上するこの問題。野添准教授は新たな被害を出さないためには、「通報体制」を考えるだけでは不十分だと指摘しました。
野添准教授「今回の事件の処理も連絡体制の強化ということでお茶を濁している気がしてしまう」「本質というのは沖縄に米軍基地が集中していることによって起きることになるわけですね、そもそも基地負担の軽減をするために基地や米軍を減らしていくのが本来の根本的な対策になるわけですね」
通報や公表がされなかったことで、新たな被害が発生したのではないのか?国民の命と暮らしを守るためにも今回の対応について検証が求められています。
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Негізгі бет 米軍関係者の犯罪への対応は?専門家に聞く
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