府中市の民話『たぬきのお坊さん』の絵本に入っている「むるがこわい」がもとになっています。
今回、府中市教育委員会のご協力で配信することができました。
文章の提供をいただいた小澤 俊夫さん、ストーリーテリング グループ「おはなしのたね」の皆さま、また関係者の方々に、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
『むるがこわい』
文・小澤俊夫(おざわとしお)
むかし、あるところに、
おじいさんと おばあさんが いました。
ある夜のこと、おおかみが ふたりの家に
やってきて、 なかのようすを うかがっていました。
「ばあさんや、おまえ、このよのなかで
いちばん こわいものは、なんだね。」
「わたしは、おおかみが いちばん こわいねえ。」
これを きいた おおかみは、とくいになって
はなを ぴくぴくさせました。
ところが、こんどは おじいさんが
「たしかに おおかみは こわいが、
いちばん こわいのは、やっぱり むるだ。
今夜あたり、むるがきそうな けはいだぞ。」
と、いいました。
「なに、むるだって。このよのなかに
おれより こわいものが いるのか。」
そこへ、雨が ふりだしました。
「ばあさん、たいへんだ。 むるがくるぞ。」
おおかみは、ぶるぶる ふるえあがって、
いちもくさんで 山へ にげかえりました。
おばあさんは、
「やっぱり、雨のむるが いちばん こわいねえ。」
と、いいました。
『むるがこわい』
作・小澤 俊夫
朗読・おはなしのたね
絵・武居 妥奈
協力/府中市教育委員会 おはなしのたね
主催/どうがのおはなし会
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どうがのおはなし会のHP
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