☆ テーマ
イントロダクション
森直人・本作の感想
撮影の記憶
- 松浦祐也のロケ日記
-『オバケのQ太郎』にある似たようなエピソード
登場人物とキャスティング
日本語版台本
アルチュール・アラリ監督と本作
- オーディションから配役
- 日本兵の資料
- 細かく書かれた脚本
現場スタッフ
事実とフィクション
楽しい「冒険」物語
こだわった撮影
初日に呼ばれていない二人
小塚と島田の殴り合うシーン
撮影の順番と体調の管理
3時間という尺
カンヌでの登場
日本での全国公開
試写を見た感想
参考になった作品
密度の高い一本
おすすめポイント
映画好き・嶋田久作
エンディング
☆ 作品紹介
『ONODA 一万夜を越えて』
onoda-movie.com/
☆ イントロダクション
1945年に終戦を迎えた日本。終戦を知らされないまま約30年間、フィリピン・ルバング島で秘密戦の任務を遂行し続けた実在の人物・小野田寛郎。壮絶で孤独な日々と戦った一人の男の人間ドラマ。彼は何を信じ、何と戦い、そしてどう生き抜いたのか。
小野田寛郎の30年間を描いた「ONODA 30 ans seul en guerre」(著:Bernard Cendoron)を元に着想、映画化された本作。監督は、フランス映画界で今最もその手腕が注目されているアルチュール・アラリ、今回は脚本も手掛けている。ほとんどの日本人キャストはオーディションにより選考、約4ヶ月間にわたるカンボジアでの撮影では、スタッフとキャストが一丸となって臨場感あふれるシーンを作り上げた。国際共同製作映画でありながら、ほぼ全編が日本語のセリフで紡がれているこの異色作は、第74回カンヌ国際映画祭2021にて「ある視点」部門でのオープニング作品に選ばれた。
1974年3月、作戦任務解除令を受けて51歳で日本に帰還した小野田寛郎(おのだ ひろお)、当時の日本では彼の存在自体が衝撃的な事件として大きく報道され、社会現象にまでなった。
彼のジャングルでの潜伏の日々をアラリ監督独自の視点で構成した本作は、小野田寛郎を知らない人にとっても共感できるメッセージの詰まった、壮大な人間ドラマに仕上がっている。
☆ あらすじ
終戦間近の1944年、陸軍中野学校二俣分校で秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎(遠藤雄弥/津田寛治)は、劣勢のフィリピン・ルバング島にて援軍部隊が戻るまでゲリラ戦を指揮するよう、命令を受ける。「君たちには、死ぬ権利はない」出発前、谷口教官(イッセー尾形)から言い渡された最重要任務は“何が起きても必ず生き延びること”。玉砕は決して許されなかった。
しかし彼を待ち構えていたのは、ルバング島の過酷なジャングルだった。食べ物もままならず、仲間たちは飢えや病気で次々と倒れていく。それでも、小野田は生きるために、あらゆる手段で飢えと戦い、雨風を凌ぎ、仲間を鼓舞し続ける。必ず援軍が来ると信じて。
小野田は仲間を連れて、任務を完遂するまで島の奥地に潜伏。自らもこの終わりの見出せない戦いの日々に自らの精神を蝕まれながらも、かろうじて仲間のためにも、見えない敵に対峙していたのであった。小野田と一緒に最後まで生き残った小塚金七(松浦祐也/千葉哲也)は、幾度となく小野田といさかいを起こしながらも、協力し合い、相手を思いやり、二人三脚で生死を彷徨いながらも潜伏していた。しかし、ある日突然、小野田と小塚は島民らしき人間たちからの奇襲を受け、小塚は小野田の目の前で帰らぬ人となってしまった。
そこからは小野田1人きり。孤独の中で夜が明けていく日々を淡々と数えながら、息を潜めていた小野田だったが、ある日、”旅行者”と名乗る若い男・鈴木紀夫(仲野太賀)と出会うのだった。小野田が見えない敵と戦い続けて一万夜を迎える頃。この永久的に続いていた日々は、この青年との出会いによって終わりを迎えることに…。
☆ スタッフ
監督:アルチュール・アラリ
出演:遠藤雄弥、津田寛治、仲野太賀、松浦祐也、千葉哲也、カトウシンスケ、井之脇海、足立智充、伊島空、イッセー尾形ほか
☆ 監督紹介
1981年フランス・パリ出身。
祖父 は俳優・演出家のクレマン・アラリ。兄は撮影監督のトム・アラリ。
パリ第八大学で映画を専攻。長編第1作となる『汚れたダイヤモンド』(2016)は、フランス批評家協会賞・新人監督賞のほか、多くの映画賞を受賞、 最も実力のある新鋭監督として注目されている。また俳優としても活躍、私生活のパートナーであるジュスティーヌ・トリエ監督作などに多数出演している。
☆松浦祐也【小塚金七(青年期)】
1981年生まれ。
『押入れ』(03/城定秀夫監督)でデビュー。『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『ローリング』(15/冨永昌敬監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19/長久允監督)など。『岬の兄妹」(19/片山慎三監督)がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭(国内コンペティション長編部門)優秀作品賞&観客賞受賞。近年の主な作品に『泣く子はいねぇが』(20/佐藤快磨監督)、『由宇子の天秤』(21/春本雄二郎監督)などがある。
☆カトウシンスケ【島田庄一】
1981年生まれ、東京都出身。
主演作『ケンとカズ』(16/小路紘史監督)で第31回高崎映画祭にて最優秀新進俳優賞を受賞。近年では映画『最初の晩餐』(19/常盤司郎監督)、映画『サムライマラソン』(19/バーナード・ローズ)、映画『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)、Netflix「呪怨 :呪いの家」(20)、大河ドラマ『青天を衝け』(21)などに出演。映画『誰かの花』(21公開予定/奥田裕介監督)などの主演作の公開も控える。
☆ 活弁シネマ倶楽部
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