■工場や施設などで導入されている一般的な排水処理で、かねてより頭の痛い問題とされているのが汚泥だ。廃水中の汚濁物質を微生物の作用により分解するのが排水処理の一般的な原理だが、従来の方式では増殖した微生物の菌体が完全には自己消化せずに汚泥として蓄積されるので、これを余剌汚泥として取り出す必要がある。全産業廃棄物に占める汚詑償激汚詑なども含む)の菌合は97年度で47.7%。量にして約1億9316万トンにのほる。最終処分場の逼迫はもとより、各企業などではその処理に多額なコストを費やしている。
■こうした中、汚泥がほとんど発生しない排水処理技術「HMCシステム(H =HydroGeneric M =MicroOrganic Co= CoTreatment)を開発したのがゴーダ水処理研究所だ。過去5年間に、コマーシャルプラントによる実用化の実績をつみ重ね実用化にメド。いよいよ本格的な罪粟展開を開始する。取締役?維持管理部長の藤岡義昭さんに話をきいた。
■自己消化性に優れたGW菌を利用。ゴーダ水処理研究所は、厨房機器商社、株式会社ゴウダから勾⑩年初め分幕独立(社長兼任)したまだまだ新しい会社。とはいえ基本となる技栴は、本業のかたわら、IO年来続けてきた水処理研究によりつくり込まれたもの。厨房機器を扱っている関連で、顧客から水処理や装置についての質問、困っていることなどを頻繁に耳にしたのが研究を始めた直接のきっかけ。
■HMCシステムでキーとなるのが、自然界に存在する土壌菌を排水処理現場で繰り返しながら鍛え独自に培養開発した自己消化性に優れた復合発酵型微生物群「GW菌」(特許出願中)を排水処理施設に投入し、汚泥を分解、消滅させるという仕粗み。これにより余剰汚泥削減だけでなく、水処理能力も向上。GW菌は通性嫌気性菌であるため、従来嫌気微生物が用いられてきた調整楕を、曝気楕同様の処理楢として使用でき、その分処理能力が増加するからだ。これまで有機濃度が高く処理の難しかった畜産農家などの排水処理も可能になったという。
■設備としては、既存の排水処理設備を活かし、処理楕に汚視配送管と処理水返送管を追加設置するという簡単なものだ。「ですが水処理は現場ごとに状況は千差万別。一律な管理では絶対にうまくいきません。開発した微生物群の特徴を知り尽くした、例えば、曝気楕の溶存酸素蓋(DO)は、通常i.Oppm以上で管理されていますが、GW菌は通性鎌気性菌であり、平均0.2ppmで維持管理するなど、これまでにない運転ノウハウが強みでしょう」。
■汚泥削減など数々の実績。これまで過去5年間に、ビルの中水施設や食品工場、畜産農家など既存水処理施設叩件に技術導入してきた。そこでは実際どれほどの効果をあげているのだろうか。例えば、98年II月にHMCシステムを導入した東京多摩市・サンリオピューロランドでは、汚泥処理費用としてそれまで年間約900万を費やしていたが、導入後は約150万円になり、さらに、汚泥処理に使用していた関連薬剤費がゼロになったことで年間約600万円を削減。計1000万円/年以上の削減効果を上げている「曝気楕だけでなく流量調整椿でも処理が行なわれ余剰汚泥を減らすほか、、硫化水素、雑菌の付着や藻の発生を防ぐためPit';員整剤、凝集剤が必要なくなるのも大きなメリット。汚泥処理費では、この薬剤費が思いのほかかかっています」また、導入して数年たつ東京浜松町の甘士本社ビル(40階建、従業貝1万人)でも99年度の汚泥処理費用をゼロ、2000万円以上/年の効果を上げているほか、水産加工工場の排水処理(B0D200,000)では5年間余剰汚泥発生ゼロを実現、宮崎県の養豚場(1800周の糞尿処理では1年半余刹汚泥発生ゼロを実現するなど華々しい実績を誇る。
■見学ツアーなども多数実施する中、とくに驚かれるのが養豚場。同業者が見るとなおさらだという。というのも、まず場内に入った時点で養豚場につきもののひどい悪臭がほとんどないからだ。完全嫌気性菌による処理で発生する硫化水素やメルカプタンなどの悪臭ガスが、発酵型微生物による処理では発生しないため。また、処理された水を循環させ場内を清掃することで、さらに悪臭が防止できる。同システムで処理した水は、有用な酵素や物質が多く含まれ、大腸菌の検出もゼロ。一般的な冷却水、トイレの洗浄水、洗車用水など中水としての用途ばかりでなく、土壌に散布すれば土壌の改善や作物の生育促進、畜産にあっては畜舎の衛生及び悪臭問題の解決に役立つのだという。ともあれ、「2004年には土壌汚染禁止法等が布かれ、今まで黙認されていた汚物の場内埋設、排水の土壌浸透が行えなくなる。また、これまで排水処理湯、糞尿処理施設を整備、しっかりと排水処理が実施されていた施設も、これからは余剰汚詑やスリーンし澄の処分でますます多額の出費を迫られるのは必至。そういったところで是非導入を検討してもらいたいですね」
■自信のあらわれ、運転経費削減を保証。工事自体は2日間もあれば完了するが、畢前の調査なども含め約1カ月。そしてGW菌を投入後、これまでの菌と緩やかに入れ替わり、なじむまで3カ月ほどを要する。もちろんその立ち上げ期間中も排水処理は通常通り稼動する。費用設定では、これまでの現場実績で明らかとなった、汚泥削減への絶対的な自信を感じさせる。まるっきりの新設、増設の場合でも余剰汚祀処理施設、加圧浮上施設、悪臭対策施設などが不要になるため、従来の一般的な処理プロセスに比較して工事費が安くなるが、既存の施設への転換挿入の場合には、汚泥配送管と処理水返送管といった軽微な追加工事費は同社が負担。ユーザーのイニシャルコスト負担は一切不用とした。実際の汚泥削減で浮くコストを前提に、ユーザーが汚弱処理費用として侮月支払う契約の仕維み。契約期間は基本的に3年間とし、運転経費3割減を保証する方針。また、ユーザーは同研究所の株主(1株10万円x2株)となってもらう。「単にモノを売ってお終いというのではなく、同じ方向を向いてこれからの水処理を考えていきたいとの思いから。今後は代理店も積極的に募り、全国にこのシステムを普及させていきたい」。
■新会社設立からすでに4件を受注するなど好調な滑り出しを見せているが、この技術を全国に速やかに普及させるため、技術を独占秘匿せず、環境問題解決に向けた同社の理念に賛同する企業にはライセンス契約あるいは代理店契約の形で広く技術を供与していく方針。今年度中に30!4の受注を見込んでおり、5年後には株式上場を目指す。
Негізгі бет 企業8 株式会社ゴーダ水処理技術研究所 2000 06 71
Пікірлер