2019年11月17日に行われたエールステ・ディヴィジ (オランダ2部) 第15節 デン・ボス-エクセルシオール (3-3) にて。1-1の状況で迎えた前半29分、ホームチーム側のスタンドから沸き起こった人種差別チャントに我慢ができなくなったエクセルシオールのFWアフマッド・メンデス・モレイラは、主審にそのことを告げてピッチを後に。この状況を受けて、ラウレンス・ヘリッツ主審は試合を一時中断することを決定した。ドレッシングルームでチームメートから説得されたモレイラは、再びピッチに戻ることを決意し、試合が再開されることに。そして迎えた前半44分、一時は勝ち越しとなるゴールを決めたモレイラは、デン・ボスサポーターのいるスタンドの前で立ち留まると、両手を両耳に当ててゴールを祝福。この挑戦的な態度に腹を立てたデン・ボスのサポーターは、モレイラに向かって物を投げて応戦すると、デン・ボスのエリック・バン・デル・ヴェン監督は、モレイラのこの態度に対して「哀れな小さな男」と批判した。試合後にインタビューを受けたモレイラは、デン・ボスのサポーターから「ブラック・ピート (オランダ語でツヴァルテ・ピート: サンタクロース (聖ニコラウス) の従者でオランダでは伝統的に顔を黒塗りにし、唇を赤く厚くし、アフロヘアのカツラを被って扮装する)」に関する歌を含めた人種差別的なチャントがされたことを告白。「2019年にもなってまだこんなことを受け入れなければいけないことに怒りだけではなく、失望している」とフォックス・スポーツに語った。この件を受けて、オランダサッカー協会は「サッカーに人種差別の居場所はない」と声明を出し、調査を開始。同じくデン・ボスも声明を出し、差別的行為を行った人物の特定に全力を注ぐことを表明した。また、リヨンに所属するオランダ代表FWメンフィス・デパイは、モレイラの写真を載せて「こんなを画を見るのはもううんざりだ! いつになったら終わりが来る!!?特に2020年のユーロに向けてUEFA はどうするつもりなんだ」と、モレイラへの支持をツイートすると、リバプールに所属するオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムも、「人種差別主義者に厳しい対応をすべきだ」とこの問題を強く批判した。スタジアムでの人種差別行為により、今季すでにイタリアやウクライナで試合が一時中断されている。
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