長野県にある松本城。5層の大天守は渡り櫓で小天守とつながれ、反対の方向にも二つの櫓があります。各階の壁には漆黒の板が張られ、信州の山々をバックに立つその姿は大変美しいですね。この天守群は昔からずっとこの場所に立ち続ける現存天守。日本全国でも12箇所しかない貴重なものです。その現存天守のなかでもこれだけ大きなものは珍しく、5層の巨大天守は松本城と姫路城だけ。松本城は好きなお城ランキングでも上位に入るお城なのです。おもしろいのは向かって左端にある月見櫓。この櫓は三方が大きく開け放たれた開放的な作り。朱塗りの手すりが目を引きます。その名のとおり、この板の間に座り月を眺めることができたら素敵な時間をすごすことができそうですよね。このように優雅な作りにも見える松本城ですが、実はかなり戦いを意識した造りなのです。大天守は外から見ると5階建てに見えます。しかし実際は6階あります。これは2階部分の上に低い天井の真っ暗な階層があるためです。この屋根裏のような部屋は他の天守にもよくみられるのですが、それがある位置は大きな屋根の部分。犬山城のように大きな屋根がある天守にはたいてい外から見えない階層があります。しかし松本城にように大きな屋根の無い塔のような天守に外からわからない階層があるのはちょっと不思議なことだそうです。これは松本城がもともと大きな屋根を持つ形の天守としてつくられ、のちに今のような形に変えられたからと言われています。また松本城天守は頭でっかちだとよく言われます。確かに外から見て四階部分(四層目)と5階部分(5層目)の大きさは同じ。上に行くほど小さくなればスッとした姿に見えるのですが、松本城はそのようになっていないのですね。松本城の最上階はもともと現在のものより一回り小さく、まわりに廻縁が回っていたようなのですが、この地方は寒すぎて・・かどうかわかりませんが、後にその部分も一緒に壁にして囲ったようです。一度建てた天守をそのままずっと使うのではなく、時代によっていろいろ改築してきたのですね。松本城大天守は外から見ると新時代の天守、でも内部はちょっと古い時代の天守という不思議な建物なのです。
- 2 жыл бұрын
【松本城】豊臣秀吉が建てさせた?国宝天守群が美しすぎる 人気ナンバーワン城郭
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