『私の天竺』は正月恒例のラジオ番組であった大瀧詠一・山下達郎の新春放談(1998年1月11日放送)の際にかけられた曲で、この1回限りの放送であった。この新春放談の前年にドラマ「ラブ・ジェネレーション」の主題曲「幸せな結末」がリリースされて大ヒットし、まだまだ余韻が残っているときであった。本曲は、この幸せな結末のレコーディングの際に集まったミュージシャンとともに、練習をかねて行われたセッションのプライベート録音だと思われる。
原曲のMy Blue Heavenは、作曲:Walter Donaldson、作詞:George Whiting
1927年に米国で出版され、大ヒット。日本では、1928年に堀内敬三の訳詞で二村定一と天野喜久代の歌唱でコロムビアレコードから発売された。
「私の天竺」の命名はもちろん大瀧独自の諧謔趣味によるが、英語の原題にひねりを効かせればすぐに納得できるものである。自身が聴き続けてきたアメリカ音楽への憧憬と、さらには、後年に苦労を重ねてまとめ上げた「日本ポップス変遷史」への研究の道のりを西遊記の僧玄奘が目指す天竺にたとえているところが何とも心憎い気がする。もちろん、「私の青空」を大ヒットさせたエノケンこと榎本健一の大ヒット映画「エノケンの孫悟空」が大きなヒントになっていることも間違いないだろう。
Негізгі бет 私の天竺~My Blue Heaven_大瀧詠一
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