バッテリーを並列接続すると、劣化を早めると言いますが、同じ時期に買った、同容量のバッテリーを2つ繋ぐ程度であれば、ほとんど問題になりません。
問題になるのは3つ以上の多数、特に劣化程度の異なるバッテリー(古いバッテリーと新しいバッテリー)を並列に繋いだ場合です。
新品バッテリーと劣化バッテリーを並列接続すると、充放電の段階で電圧差が生じ、新しいバッテリーが劣化したバッテリーを充電しようとして、常に放電が繰り返されます。
これを『循環電流』と言います。
特に夜間は循環電流により、新品バッテリーは放電を繰り返し劣化が進みます。
バッテリーを4つくらい複数積載する場合、『循環電流』を防止するためには、リレーを使ってバッテリーを2つずつの系統ごとに一定の条件で切り替える方法がしばしば用いられます。
ここでより簡単な方法は、それぞれの陽極回路に逆流防止のブロッキング・ダイオードを入れて、一方通行にしてしまう方法があります。バッテリーの陽極から他のバッテリーの陽極に電流を通さない仕組みです。
しかし、全てのバッテリーの陽極にダイオードを入れてしまうと、コントローラーへの電源供給ができません。日中ソーラーパネルが利いているときは、ソーラーからの電気でコントローラーが作動しますが、夜間はコントローラーがoffになってしまうため、バッテリーのうち1つは、ソーラー(コントローラー)側にも電流が流れるよう、ダイオードを抜いておく必要があります。
このバッテリーは、微量ですが夜間もコントローラー電源として放電するため、わずかに劣化が早まります。また、他のバッテリーよりも電圧が高いと、循環電流が生ずるため、他よりも若干古く、電圧の上がらないバッテリーでも良いでしょう。
斬新な方法のようですが、実はこの回路は太陽光発電の業界ではしばしば行われる手法のようです。
一般のダイオードは通電すると0.7~1Vほど電圧が降下します。
このため、ここで用いる整流ダイオードは、
『ショットキーバリア・ダイオード』
という、一般のダイオードに比べ電圧降下が半分程度の物です。15A 45V、25本で880円(1つ35円)と安価な物ですが、それでも使用条件15Vとして、最大0.5Vの電圧降下ロスがあります。ただし車の場合、あまり高電圧になると車載電気機器の故障につながる恐れがあることを考慮すると、仮に14.5Vに電圧降下しても、むしろ安全と言えるのかもしれません。
さらに、ほとんど電圧降下しない『ダイオードコントローラー』というものもあるようですが、50A 9-70V 1本 2500円と高額で、5本買うと1万2500円になってしまうので、あまり実用的とは言えません。
ここで少し電気にお詳しい方なら、ダイオードの内部抵抗で電圧降下するのであれば、ダイオードを複数使用し並列接続することで、電圧降下の防止を考えるでしょう。しかし抵抗と違い並列接続してもほとんど変化はありません。これはダイオードの内部抵抗が極めて微小でまた、微妙に製品間の誤差があるため、最も抵抗値の小さいダイオードにほぼ全ての電流が流れてしまうからだと言われています。これは、電球と並列で発光ダイオードを接続しても、発光ダイオードは点灯しないし、ショート回路を作ったら、電球は点灯しないのと似たような現象だそうです。
実際に、ダイオードを並列に接続しても電圧降下は0.02Vしか改善しなかった旨のレポートもありました(下記リンク参照)。
しかし、ショットキーバリア・ダイオードの接続極線の直径を測ると、1.3mm、断面積1.33mm2ということになり、22mm2のバッテリー・ケーブルとのギャップを感じ、今回は過熱を危惧して2本並列に使用しました。
余談ですが、この回路の設置位置がセカンドシート下になるため、ショート(と言っても全て陽極なので大きなトラブルは無いのですが)や万一の過熱に備え、表面にアクリル板のカバーを作りました。ターミナルの凸部には熱加工で局面にしたアクリル板を接着しましたが、ガストーチで炙ることで、燃えることもなく綺麗に加工できることが分かりました。
この回路が果たして、バッテリーの劣化防止にどれだけ有効なのかは、今後の経過を見ていきたいと思います。
★★★ 重要 ★★★
先日P泊先で気が付いたのですが、この接続方法には一部誤りがあります。
安全面での問題はありませんし、機能的にも大きなダメージはありません。しかし、●走行充電、●AC充電端子は、●PV端子(ソーラーパネル側の端子)と同じ部位に接続しないと、夜間などソーラー以外からの有効な充電が期待できません。
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【バルク充電、吸収充電、フロート充電とは】
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●バルク充電 : 充電器の最大能力の電流をバッテリーへ送る定電流充電(14.5~15V)。
●アブソーブ充電 : バルク充電によって達した最大電圧を維持するための定電圧充電(14.5~15V)。
●フロート充電 : 自然放電を抑えるために常時補充電を行う定電圧充電(13.5V~13.8V)。
●バルク充電(bulk)
充電器が出せる最大の充電電流を使って充電する段階で、このモードで75%~80%充電します。この段階は、電流を調節し、電圧を調節しない充電モードなので、定電流充電(CC)と等価ですが、ソーラーパネルから充電する場合は、電流が変動するので、厳密には定電流充電ではありません。電圧は、バッテリー電圧の最大の充電電圧である14.5~15Vに達するまで行われます。
バッテリーが空に近い場合は、バルク充電には時間がかかります。逆に、満充電に近い状態のバッテリーに充電を行うと、すぐに最大電圧に達してバルク充電は終了します。
バッテリーが最大電圧に達するとバルク充電は終了し、アブソーブ充電に移行します。
●アブソーブ充電(吸収充電:absorption)
アブソーブ充電の開始時点では、その前のバルク充電によってバッテリーは最大電圧(14.5~15V)に達しています。仮に充電電流を最大のままにしておけば、最大電圧を超えて過充電になります。そのためだんだんと電流を絞ります。ただし、急激に電流を絞ると、最大電圧を下回って充電効率が悪くなります。アブソーブ充電では、最大電圧を維持するために必要かつ十分な充電電流を保ちながら充電が行われます。これは定電圧(CV)方式による充電と等価です。
あらかじめ設定された電圧を超えると、電流を制限し、電圧をコンスタント(定電圧)に保つため、実際には電流と電圧の両方を調節するモードです。バッテリーは、残された20%程度の電流を吸収(absorb)し、ゆっくりと満充電に向けて充電していきます。
この吸収充電の時間を正しく設定しないと、満充電にはなみません。吸収充電電圧は,鉛蓄電池の種類によって異なりますが,AGMバッテリーだと,14V~15V程度です。
アブソーブ充電が終わる頃には、小さな充電電流でも最大電圧を維持できる状態になります。この時点でバッテリーは満充電になります。満充電になると、最終的なフローティング充電の段階に移行します。
●フローティング充電(float、トリクル充電)
フローティング充電は、自然放電を抑えるために常時補充電を行う段階です。
電圧はアブソーブ充電までの最大電圧(14.5V~15V)から、電圧を調節するモードのフロート電圧(13.5V~13.8V)に切り替えられます。そして、フロート電圧を維持するために必要な小さな電流による充電が継続的に行われます。
もし、バッテリーに負荷がかかった場合には、充電器はより多くの電流を流してフロート電圧を維持しようとします。そして負荷が大きくなり、一定以上の電流をかけないと満充電を維持できなくなると、再びバルク充電に移行します。
関連サイトリンク
ショットキーバリア・ダイオード
www.nteku.com/d...
www.shindengen...
misoji-enginee...
ダイオード
www.piclist.com...
太陽光発電でのバッテリー並列接続
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ダイオードの電圧降下(順方向電圧)とは?
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