スクーティン・オン・ハードロック ~3つの即興的ジャズ風舞曲~
デヴィッド・R・ホルジンガー
Scootin' On Hardrock
David R. Holsinger
Fiesta Wind Symphony
第3回定期演奏会
2017年5月5日
三鷹市芸術文化センター 風のホール
指揮:立川智哉
00:00 指揮者入場
00:16 第一部
03:30 第二部
06:37 第三部
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タイトルは「ハードロック通りを駆け抜ける」という意味。「ハードロック通り」とは、米テキサス州シャディ・グローヴにある作曲者のオフィス近くを通る通りの名前。元々、ハードロック通りはシャディ・グローヴ町のメインストリートで大いに賑わったが、現在は廃れてしまい、地元住民が近道として使う程度の通りになってしまった。この曲は、かつての通りの賑わいに思いを馳せて作曲された。スコア冒頭には、廃れてしまったハードロック通りの様子が、作曲者によって書かれているが、「けれどもその昔、ハードロック通りは町の中心であったのだ。」という最後の一文からも作曲者が追憶にふける様子が目に浮かぶ。
曲は副題の通り、急~緩~急の3つのセクションからなる。第一部では、低音楽器の刻みの上に強烈なアクセントと特徴的なリズムで、活気に溢れたかつてのハードロック通りの様子が表現される。続く、第二部は少しテンポを緩め、8分の12拍子を基本に、うらぶれてしまった通りの様子がサキソフォンやホルンによってノスタルジックに奏される。第三部ではテンポをあげ、再び昔の活気に満ちた通りを疾走し、駆け抜ける」かのような音楽が展開され、一気にラストを迎える。タイトルに”即興的”とあるように、複数の楽器が楽譜通りにリズムを演奏してアドリブ演奏の雰囲気を出さなければならない難曲で、Ⅰ部の最後を締めくくるのにふさわしい曲である。
作曲者のデヴィッド・ホルジンガー(1945-)は、アメリカで人気の作曲家の一人で、日本では「春になって王たちが戦いに出るに及んで」で知られているが、それ以外にも数多くの吹奏楽作品を書いている。拍子記号の変化を用いた作品や教会音楽の手法を用いた作品が特徴的である。
(文責:横山裕也)
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