微笑みの国・タイでは今、日本で使われていた「中古品」が人気です。中古品を通じ、タイ人たちからあふれ出す「日本への愛」。一体なぜ?タイで何が起きているのか追跡します。
■20店舗すべてが「日本の中古専門店」
今回、向かったのは微笑みの国・タイ。
この日、巨大なコンテナが到着。中には、荷物がぎっしりと詰められています。家具や雑貨など、実はこれ、すべて日本からの中古品。他には、ギターなど多くの楽器もあります。
これらの中古品が運ばれたのが、今タイで話題だという巨大ショッピングモール「マイアミ・ベイサイド」。東京ドームとほぼ同じ広さに、家具や雑貨、ピアノ専門店など20店舗。そのすべてが日本の中古品だけを販売する店です。
日本の古着専門店は、週末ともなると、開店と同時に数百人もの客が詰め掛けます。
来店客
「日本の服は可愛いから大好き」
「タイに、こういう服は売っていないの」
これらのワンピースなど15着買っておよそ4200円。
■プロのバイクレーサーも来店「最高!」
この日、新しい商品が入荷した雑貨店では、混乱を避けるため、店に入る順番を決めるクジ引きが行われていました。
すると、開店前の店内を食い入るように見る男性たちがいます。バイク仲間という2人のお目当ては「ヘルメット」だといいます。
来店客
「日本のヘルメットは安全性が高いからね」
実は、左側のアピラックさん(46)はプロのバイクのレーサー。国際大会で優勝したこともあるといいます。
アピラックさんのクジは3番目。これは大チャンス!果たして、アピラックさんはヘルメットを無事ゲットできるのか?
店のシャッターが開くと、くじ引きをしたにもかかわらず、なぜか皆さん一斉に店内へ。現役レーサーは、見事なスタート!
新品では10万円以上はする日本製のヘルメットをおよそ8500円で無事ゲットできました。
アピラックさん
「見た目も美しいし、最高だよ!」
■汗だくになりながら…お目当ての品をゲット
別の雑貨専門店にも、大行列ができています。
父親と来ていたガンさん(21)の狙いは、クリスタルでできたオルゴールです。
ガンさん
「オルゴールが欲しいの」
ガンさんのくじ引きは18番目です。
ガンさん、店のシャッターが開くとオルゴールの元へ急ぎます。果たしてガンさんは?
取材スタッフ
「すごい勢いで商品を取っています」
「店内にエアコンはありません。現在の温度は30℃を超えています。灼熱(しゃくねつ)の店内で皆さん必死に日本からきた中古品を買い求めています」
見事にお目当てのオルゴールをゲットしました。汗だくですが、大満足のようです。
店では量り売りが基本。重さ100グラムごとに50バーツ、およそ210円(取材時点)です。オルゴールは、およそ400円でした。
■「ぬいぐるみ」が大人気 量り売りだとお得感あり
この日、ひときわ多くの客が詰め掛けたのが雑貨専門店「ダルマイベント」。お目当ては、日本から届いたばかりの「ぬいぐるみ」。実は「ぬいぐるみ」も量り売りのため、重さが軽くお得感があり常に客が殺到するといいます。
そのため、ちょっとした事件が起きました。なんと、入り口の柱が外れてしまったのです。
店が開くと早速、ぬいぐるみコーナーが大変なことになっていました。特に日本のアニメのキャラクターは、毎回奪い合いになるそうです。
来店客
「ポケモンが大好きなんだ」
量り売りのため、カゴいっぱいに買っても、1000円ほどです。
■仕掛け人は日本人「本当にもったいない」
この中古品ビジネスの仕掛け人が、ギークスリテイリングの矢内祥一郎さん(48)。コロナ禍で店が立ち退いた巨大ショッピングモールを丸ごと借り切り、3年前に中古品の販売ビジネスを始めました。
20店舗、数百万点に及ぶ商品は、日本で倒産した会社や引っ越しの際に出た不用品など様々ですが。
矢内社長
「全く使わない新品が時を経て最終的に処分されていく感じですので、本当にもったいない。使えるものはもう一回、誰かの手に渡った方が良いと考えています」
週末、ショッピングモールの一角で、なぜか椅子を持ちながら踊る女性たちがいます。実は、毎週末開かれる、中古品のオークション。盛り上げているのは、大人気の「オークションガール」たちです。
特に目玉商品は、オークションが加熱。その中に、かなり年季の入った日本のミシンがありました。
オークションガール
「日本製のミシンは500バーツ(約2100円)から!」
すると、次々と入札が!値段がどんどん上がっていきます。
オークションガール
「4100バーツ(約1万7000円)で決定します!」
40年前につくられた日本のミシンは、およそ1万7000円で落札されました。
落札した人
「日本の古いミシンはオシャレだからタイで人気なのよ」
■「仏壇」「日本の看板」も需要あり?
10年前からタイで日本の中古品を扱う、ルーツオブジャパンの湊源道さん。人気の秘密は「丁寧に使われた日本製への信頼」と「加速するタイでの日本ブーム」だといいます。中には、意外な物もあります。
湊社長
「仏壇ですね。普通に小物入れに使う方もいれば、中に仏像を入れて使う方も。とても信仰の強い仏教徒が多いので」
さらに、ブームの影響でこんな物まで…。
湊社長
「売れるんですよ~。こういうのが売れるんです。(タイ国内に)日本食屋さんも多いので、そういう方が買っていく。2万5000バーツ(約10万円)」
■日本の中古品を販売する店が増加
この日、店内で出会った中学校の英語教師というパリチャットさん(60)。次々と商品をカゴに入れていきます。
日本の食器やぬいぐるみなど、カゴ12杯、およそ8400円分を購入。なぜ、教師が爆買いを?
彼女に同行させてもらうことにしました。
パリチャットさん
「ようこそ!私のお店へ」
6月に教師の定年を迎えるため、退職後を考えた時に浮かんだのが大好きな日本。
パリチャットさん
「大好きな日本の商品なら、きっとお客さんに喜んでもらえると思ったの」
市場の一角に、日本の中古品を売る店をオープンしました。
パリチャットさん
「タイの子どもたちは日本のぬいぐるみが大好きなの」
いまタイ国内では、日本の中古品人気に目をつけたタイ人が経営する店も増えています。
■家中に鎧兜…中には50万円の鎧も
この店では、日本の文化や歴史を感じさせる物が人気です。
店内で出会ったのは、ポップさん(40)。手に取ったものは、日本の僧侶が首にかける「輪袈裟(わげさ)」。値段は一つおよそ80円という破格の安さです。
ポップさん
「日本のサムライに関係する物が大好きなんだ」
サムライが大好きだというポップさんの自宅にお邪魔すると、驚きの光景が…。ガレージには鎧(よろい)、さらに家の中にも日本の鎧兜(よろいかぶと)のコレクションがありました。
さらに本物の日本刀や、五月人形の兜などなど。中でも一番値段が高かったというこちらの鎧は、およそ50万円。
ポップさん
「鎧を着ると、サムライの魂が僕の中に入るんだ」
きっかけは7年前。日本の戦国武将の本と出会ったことでした。
ポップさん
「豊臣秀吉は僕のアイドルなんだ!武士道から忠誠心など、たくさんのことを学んだよ」
■「人生の教訓を学んだ」漫画は…?
さらに、ある日本の文化の虜となり「人生を学んだ」という女性がいると聞き、スタッフは自宅へ。
部屋にはたくさんの日本のフィギュアと、日本のゲーム機がありました。ラットさん(65)。ある「日本のアニメ」のとりこだといいます。
そのアニメは奥の特別な部屋に。名付けて「手塚治虫ルーム」。
ラットさん
「手塚治虫先生を心から尊敬しているわ。ダメね。先生のことを思うと涙が出てくるの」
壁の絵は、長男・モットさん(39)が手描きで描いたといいます。ラットさんは、子どものころに見た「マグマ大使」から人生の教訓を学んだといいます。
ラットさん
「弱い人を助けるという精神を、手塚治虫先生から学びました」
10年前には念願の日本で「聖地」巡りも。
ラットさん
「手塚先生の記念館に行けて感動しました」
これからもこつこつと、中古の手塚治虫グッズを集め続けたいといいます。
ラットさん
「日本の皆さんが使っていたアニメのグッズは、私がいま、タイで大切に使わせていただいています」
[テレ朝news] news.tv-asahi....
Негізгі бет タイ“日本の中古品”大人気! キャラクターグッズは争奪戦…「仏壇」「看板」需要も【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年6月8日)
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