アートとエンタメの違いとは何か。どちらも「表現」を目的としながら、両者は何が違うのか。アーティストなどの言葉の定義が広がっている現代では、余計に分類が難しいところもありますが、このラジオではひとまず以下のように整理をしてみました。
・アート=誰にも届けず自分のためだけに創る、作者にとっての自己実現
・エンタメ=届ける相手がいることを前提に創る
漫画は読者に読んでもらうことを前提としているため、アートではなくエンタメだと定義しています。漫画家のタイプでいえば、排出型がアートに近いようにも思えますが、やはり誰かにみせることが前提である以上は別物になるでしょう。
もちろんアートとエンタメは厳密に切り分けられるものではないですし、漫画家にも萌えや排出とは別に、「自己探求」といったようなタイプがあるのかもしれません。
一見近いところにあるようで、別物だと言い切ること自体にはアートとエンタメの違いについて考えることで、より漫画と深く向き合っていこうという回になっています!
▼今回紹介させていただいた読み切り作品『モルモットの神絵師』(中山敦支先生/集英社)
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#漫画 #描き方 #テクニック #漫画家志望
【今回紹介させていただいたご投稿】
ラジオネーム:白水汰一 さん
===ご質問内容===
東京ネームタンクのネームできる講座やコルクマンガ専科を受講してきた中で、エンタメという軸を持って漫画を描くことを強く意識するようになりました。エンタメという軸を得た分、それまでよりも商業に向けた作品を描きやすくなりましたし、漫画の仕事の幅が広がったと思います。自身の作品だけでなく分業のネーム作家としても活動できるようになったのもそのお陰だと思っています。
一方で、最近私の中で「明確な意図や目的が無くても作品は生まれてきてしまう。それは一体何故で、そういう作品と出会ったとき人はどう感じるんんだろう。そういう作品が存在することをどう説明するんだろう」という疑問が芽生えてきました。
私は漫画にしろイラストにしろ、「意味は無いんだけど面白いと思ってしまったこと」を絵にすることがよくあります。もちろん、それを描きたいと思った理由は何かしらあるにしても、明確な目的や伝えたい相手を意識することなく「これが描きたい」というパッションだけで生まれてきてしまう作品です。(昔ネームタンクの合宿で描いたいとこのお姉ちゃんがカブトムシまみれになる漫画もそういう発想で生まれたんじゃないかと思います。)
また、自分の傾向として読者を突き放したような作風の作品が大好きということとも関連がある気がしています。それらの作品は大体漫画家に聞いても10人中10人知らない場合が多いです。そして、商業という観点から見れば売れた作品とは言えない作品が多いです。
エンタメという軸から見るとマスに売るという目的を果たした作品ではないかもしれない。それでもその作品を愛せずにいられない、そういう感性が自分の中にあるということに気が付きました。
私は「目的や意図をなるべく排し、曖昧で抽象的な物事を具体的な描写で描いた」ような作品が好きだし、そんな作品を作るのに挑戦したいと望んでいるんだなと。
でもこれは、マスに売るという目的、読者に何かを伝えるという目的、読者を楽しませる「エンタメ」という目的からは距離をとった考え方だと自覚しています。
そこで、マンガ専科の話にもあった「アート」という軸のことが頭に浮かびました。
今私の中にはアートとエンタメの二軸が同時にあって、自分の作品作りの出発点がアート寄りなのではないか?と考えるようになりました。また自分が望むその作品の着地点を考えたときにも「マスに売る」を意識しすぎるとかえって難しいのかな?とも思っています。
私と似たような考えの作家さんは他にもいらっしゃるのでしょうか?また、こういう場合活動の方向性を商業以外に考えるべきか、またどんな発表のしかたがあるのか悩んでいます。
悩んでいるといいつつ今のこの状況を楽しんでもいます!作品作りについて真剣に悩めることが嬉しくもあり、是非ごとう先生とヨシキ先生の客観的なご意見を伺いたいと思った次第です。
まとまりのない長文で失礼致しました! これからもラジオ楽しみにしています。
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Негізгі бет 【アートとエンタメの違いってどこ? 漫画は自己実現ではなく、読ませたい相手がいるから描かれる!】漫画家ためになるラジオ【vol.120】
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