無理に都合をつけて好きな人に逢いに行く、其処での情景を官能的に思えるほどに表現した小唄です。
解説:明治中期に作られた唄で、ここでは芸妓が出先(呼ばれていったお座敷)を、口実をつけて休み、恋しい男のいる家に逢いに行く様です。「枕も邪魔に~前髪の」は、小唄にしては極めて具体的な表現で、女の顔が男の前髪に触れてということになります。「月じゃごぜせぬ~」は、嬉しい逢瀬の後、気がつけば夜は白々と明けかかり、明烏の声が聞こえるという情況です。「ごぜせぬ」は、「ござんせぬ」の詰まった表現です。
季節は、「頬に冷たき」から春というにも寒い夜と想像されます。
唄い手としては、「しらじらと マ明烏」が、気を遣うところです。
小唄備忘録500番―その195「無理な首尾(出先)」(1分37秒)
画は、小早川清「芸者一丸」と、渡辺省亭「明烏」です。
Негізгі бет 無理な首尾(出先)(小唄備忘録500番その195)田﨑義明(小唄と三味線)
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