来年3月1日に三条市に開院する県央基幹病院。建物が完成し、カメラが初めて内部に入りました。「断らない救急」を掲げる、県央基幹病院が目指す医療のカタチを取材しました。
JR燕三条駅のそばに立つ、県央基幹病院。来年3月1日に、県立燕労災病院と厚生連三条総合病院を統合して開院します。
総事業費375億円。9階建てで、病床は400床。全国から集まった70人以上の医師と、429人の看護師、200人以上のスタッフが働く県央地域最大の医療拠点となります。
一部で外周工事が続くものの、約2年半の工事を経て、12月8日に建物が完成。初めてカメラが入りました。
まず向かったのは、屋上。ヘリポートが設置されています。
■県地域医療政策課 田中秀明参事
「ヘリポートのある病院は県央医療圏では初めて。ヘリポートに患者が搬送されて、すぐにエレベーターで救急外来に行けるように。直結です。いったん搬送されてもこちらで対応できないわずかなものは、ここから逆にヘリで新大病院に搬送ということもあるので、その両方を見込んでの整備。」
エレベーターを降りた4階は、手術室が左右に並んでいるフロアです。8つの手術室を備える県央基幹病院。この配置にも、スピード感を求めた工夫が。
■県地域医療政策課 田中秀明参事
「右と左で手術室の数が若干違って。こちらは2室だが、反対は5室。救急からすぐ上がったところ。件数的には救急車で運ばれてくる方に対しての手術が圧倒的に多いので、少しでも導線を短くすぐに対応できるように配置が寄っている。」
迅速な処置が求められる手術室の中も、医師のアドバイスを受け、機器の配置やコンセントの位置などを検討しました。
4階から8階が入院病棟になります。スタッフステーションを取り囲むように病棟ができています。
■県地域医療政策課 田中秀明参事
「スタッフステーションから患者の動向が良く見えるように、設計としても配慮している。」
病棟はA棟とB棟に分けられ、万が一、感染症が拡大した場合でも、患者を分けられる設計に。
病室は、グレーの壁紙を基調とした、落ち着いた雰囲気で、窓からは弥彦山や角田山を望めます。騒音に配慮して、高速道路とは反対側に病棟を建設しました。
正面玄関から入ると外来と総合受付は、エスカレーターを上ったその先、2階に設置されています。
災害拠点病院としての役割もあり、水害などに備え、医療に関連する機能は2階以上に集約されています。
館内の装飾に、県産スギや安田瓦を使うなど、こだわりが詰まった新たな医療拠点。
そもそもなぜ、県央地域に大規模な病院が必要だったのか。
院長に就任する、燕労災病院の遠藤直人院長に聞きました。
■遠藤直人院長
「ここは医療がひっ迫していた。その中身は、まずは救急。救急車の搬送の4分の1程度は新潟市、長岡市に運ばれてた。こういった救急医療に対応する必要があった。」
県内は、主に7つの医療圏に分かれています。県央圏は、三条・燕・加茂・田上・弥彦の5市町村からなり、約22万人の人口を抱えています。
こちらは、救急搬送した患者について、処置が難しいなどの理由で他の医療圏に搬送された割合を示すデータを見ると、県央は、他の医療圏に比べ、その割合が突出。2019年は、8300件余りのうち、2100件ほどが県央以外に搬送されています。
■遠藤直人院長
「県央医療圏には救急告示(救急に対応する)病院が7つあるが、それぞれのサイズが決して大きいわけではなかった。どの病院も応分に救急はやっているが、医師が十分にいない、スタッフも十分にいない、この時間帯は見られない…それがどんどん講じて、結果としてこのような形になった。」
県央地域の患者は、県央で診る。そのコンセプトのもと、目指すのは”断らない救急”です。
重症患者に限らず、中等症や軽症まで全ての患者を受け入れるエマージェンシールーム「ER」を導入。県内では、初めての取り組みです。
その救急体制を支えるのが、病院の2階まで伸びる、救急車専用のスロープ。
スロープを上がって2階に到着した救急車は、患者をおろし、病院内に搬送したら、すぐ目の前に救急治療室があります。
感染症患者と一般の救急患者の入り口を分けたほか、救急外来の各処置室にカメラを設置し、患者の容態を常にチェックできる体制を整備。様々な症状に対応するため、県内では確保が難しい救急医・総合診療医・麻酔科医を全国から募集し、確保しました。
■遠藤直人院長
「医師数が不足していたので、他のところにお願いしたり、専門医のいない外来が十分にできなかった。そういったことに対応できると考えている。」
そして、もう一つの大きな目的が。
■遠藤直人院長
「よく言うが、県央基幹病院だけを作ることが目的ではない。この地域で救急・急性期医療を県央基幹病院にある程度集中しようと、重点的に行おうと、あと他の公的な5つほどの病院は、それぞれ役割分担をして、機能を変えて、役割分担をしようと。」
同じ県央にある、県立吉田病院・県立加茂病院、そして済生会三条病院の重症患者などに対する手術や治療を行う専門的な医療、いわゆる急性期機能を県央基幹病院に集約。
日常的な外来や入院に対応する地域密着型の病院と役割を明確にしました。
県央基幹病院は、約6000件の救急の受け入れを目指します。
■遠藤直人院長
「困ったら、もちろんかかりつけの病院に行く、あるいは救急搬送などの場合には県央基幹病院に行けばいいというように迷わずそこに行ける。私たちが思っていた通り、思っていた以上にいろんな面で配慮された建物になったと思っている」
開院まで3カ月を切った県央基幹病院。準備が大詰めを迎えています。
2023年12月14日放送時点の情報です
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Негізгі бет 完成した新病院 地域医療再編・目指すは”断らない救急”県央基幹病院の全貌は【新潟・三条市】スーパーJにいがた12月14日OA
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