宮城県仙台市にかつてあった丸光デパートのミュージックサイレンの音源です。
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丸光デパートのミュージックサイレンは1953年の10月に東北で初めて導入されました。曲目は仙台市出身の「土井晩翠」にちなんで、同氏が作詞した代表作の「荒城の月」が選曲されました。
装置は同年12月11日より運用が開始され、当初は [09:00]、[12:00 ]、[17:00]の1日に3回吹鳴が行われていました。その後[15:00]、[21:00]に吹鳴時間が追加、[09:00]の吹鳴が開店時間の[10:00]に変更されました。また、宮城県などから「青少年非行防止に活用してもらいたい」との要望があったことにより[21:00]は青少年に帰宅を促すために「山田耕作」作曲の「この道」に変えられ、最終的に[10:00]、[12:00]、[15:00]、[17:00]に「荒城の月」が吹鳴され、[21:00]に「この道」が吹鳴されました。
しかし、長年に渡って1日に5回もの吹鳴を行なっていたことから、老朽化により発音装置のシャッターが動作しなくなる事が次第に起き始め、1987年7月15日には、職員がサイレンの起動スイッチを入れても起動しなくなり、装置本体が故障しました。
その後、一時的な修理を施し吹鳴を再開しましたが、当時ミュージックサイレンを製造・販売を行っていた現在のヤマハの前身に当たる「日本楽器製造株式会社」では、1983年に第一世代機の製造、パーツ製造などを終了していたため修理パーツが無く、「都市化が進んだ仙台市にこのサイレンはマッチしていないのではないか」という丸光による配慮から、同年10月頃まで1日2回「荒城の月」を吹鳴し、運用が終了しました。
• 丸光デパート ミュージックサイレン 「荒城の月」 ←10:00、12:00、15:00、17:00に吹鳴される「荒城の月」
これは憶測ですが、この動画の「この道」は、丸光社員による鍵盤吹鳴である事が考えられます。
まず第一に、ミュージックサイレンはある程度その原曲通りのテンポで制御装置の「音曲カム」が製造・吹鳴されますが、音声の「この道」は、原曲に比べてテンポが不規則だからである事、第一世代ミュージックサイレンは、音曲カムの構造上、演奏終了後モーターの運転が終了するのが1〜2秒程度ですが、こちらの音声は運転が終了するまで5〜6秒程度時間を要しています。鍵盤にはモーターの起動ボタンがあり、そのボタンを切るまで時間がかかっていると考えれば、これほど時間が掛かっているのが合致します。
ちなみにこちらの音源は1968年頃に録音された音源らしく、終盤に差し掛かると蒸気機関車の汽笛が聞こえます。これは、21時発東京上野駅行きの夜行列車の汽笛との事でこの汽笛音も懐かしがる方もいたとの事です。また、2016年のさくら野百貨店仙台店創業70周年記念行事で一定期間屋上のスピーカーより当時の丸光時代の再現として放送された音源と同じ音源となっております。
画像はミュージックサイレンが停止した事を伝える1987年7月30日の河北新報社の新聞写真です。
Негізгі бет 丸光デパート ミュージックサイレン 「この道」
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