100年余り活躍してきた機関車に引退の時が近づいています。
熊本豪雨で肥薩線が被災し、現在鹿児島線の熊本-鳥栖間を走る「SL人吉」。
来年3月の運行終了が決まっています。
「出発前の準備中の機関車の音活かし」この日運転を担当する八代市出身の石田龍夫(いしだ・たつお)機関士。
SLにおよそ20年携わってきました。
石田機関士 「機関車が本当生き物のような乗り物って言われていまして、本当に人間の ような感情を持った乗り物でですね」
引退と復活を繰り返してきた機関車。念入りな点検が必要です。
「SL人吉」の機関車は1922年製の8620式SL、通称「ハチロク」を修復したものです。
1975年に現役を引退後1988年に「SLあそBOY」として復活豊肥線の熊本ー宮地間で17年間、九州唯一の観光SLとして走り続けてきましたが、2005年8月、車体の老朽化から2度目の引退。
それでも「ハチロク」は復活を求める声にこたえ老朽化している部分が修復され、2009年4月「SL人吉」として3度目のデビューを果たしました。
しかし、いよいよ、老朽化に加えメンテナンスを担う技術者の確保も難しくなっていることから引退が決まったのです。
機関室の温度は50度を超える中汗だくになりながらも、手入れをする石田機関士。
乗務してきたこの機関車は家族のように大切な存在です。
石田機関士 「無くなってほしくないですね本当にもう やっぱり子どもたちに繋いでいきたい乗り物ですし、寂しい限りです」残り少ないSL人吉での乗務生活変わらぬ思いでSL人吉に魂を吹き込みます。
「私はSL人吉、この58654のような人間になりたいと思っていて、(人を)笑顔にしてくれる乗り物ですから残り少ないですからぜひ現地に来て頂いて、この匂いだったり熱気だったりこういうのを肌で感じて体験していただきたいというふうに思います」
SL人吉に特別な思いをのせた人はこちらにも
「約25年間の運転生活でSLを運転したのは約8年間くらいですけどね1番印象い残っているのはやっぱりSL,SLなんですよね」
人吉市出身の元国鉄機関士 立山勝徳(たてやま・かつのり)さん。
1957年に旧国鉄に入社しSLやディーゼル機関士を務め、国鉄民営化に伴いJRが発足した1987年に退職現在は旧国鉄やJRのOBで観光案内や鉄道の歴史を伝える活動を続ける人吉鉄道観光案内人会の会長を勤めています。
立山さん「SL時代というのは部品のほとんどは現場で作っていた そういうもので すからね 非常にやっぱり熱気にあふれた」
今でもSLを夢に見ると、かつての職場で話す立山さんその1番の願いは。
立山さん 「人吉にとっては1番大切な思い出が残る機関車だから静態保存で人吉に置いてほしいなというのが私たちの願いでありますし人吉球磨郡全体の願いでもあります」
機関士らから沢山の愛を受けながらあと半年間、SL人吉は変わらずに人や夢、そして思いを運びます。
Негізгі бет 引退まで半年 SL人吉 色々な人の思い乗せ
Пікірлер: 11