北海道の蘭越町で「らんこし米」に続く新たな特産品を作ろうと、いま「薬草」の栽培が進められています。世界で唯一、蘭越町でのみ栽培されている新種の「薬草」を使った商品も、続々と誕生しています。
人口およそ4400人の自然豊かな町、蘭越町。町の特産品といえば良質でおいしいブランド米の「らんこし米」が有名ですが…
近江谷真由記者「らんこし米に続く新たな特産品の研究がこちらの町営農場で行われています」
農場の中を案内してもらうと…
(Qこちらでは何を育てている?)
シミックホールディングス 辻喜亨さん「こちら、高麗人参と呼ばれる、薬用植物のほぼ王様みたいなものですよね。これは今2年根になります。こちらが4年目、5年目という形のものになりますね」
漢方によく使われる高麗人参に…
シミックホールディングス 辻喜亨さん「これはヒキオコシと呼ばれる植物です。非常に苦い葉っぱで、胃の薬などに使われている植物になっています。胃の薬以外には、とあるところで毛生え薬として開発されているというのは聞いたことがあります」
延命草とも呼ばれるヒキオコシ。さらに…
シミックホールディングス 辻喜亨さん「甘い草と書いて甘草と呼ばれる草ですね。
甘味剤だったりとか、あとはお薬の添加物として使われるものです。」
(Q薬の甘みを出す?)
「そうですね」
ここでは様々な「薬草」が農薬を使わずに育てられています。栽培が始まったのは2020年。蘭越町と京都大学、医薬品開発支援大手の「シミックホールディングス」が連携協定を結び、スタートしました。
シミックホールディングス 辻喜亨さん「(薬草は)9割が輸入に頼っている現状で、中国、韓国からの輸入がほとんどなので、そこに危機感を感じて、国産の薬用植物を育てていきたいなと」
蘭越町 金秀行町長「お米を中心としながら、その他に何か蘭越町が特産品として、これから生産者の方々が関わってできるものが、何かないかなというのを考えていたんですよね」
蘭越町の農家 川崎隆行さん(74)「雑草と虫と食べてくれるから。これはななつぼし」
アイガモ農法で米作りを行っている農家の川崎隆行さん。
農家 川崎隆行さん(74)「薬草を作ってるから、薬草コーディネーターの資格も勉強して取った」
川崎さんはシミックホールディングスと契約し、2年前から米作りの合間をぬって薬草の栽培に取り組んでいます。
農家 川崎隆行さん(74)「個人的には副収入を得られて、町の特産品になればいいなかと思って。手かけると、やっぱりめんこいもんね」
川崎さんの畑には、世界で唯一、蘭越町でのみ栽培しているという珍しい薬草が。
農家 川崎隆行さん(74)「シソだね。下阿達」
「下阿達」は京都大学が30年かけて開発した赤シソの新品種です。ポリフェノールが豊富で、シソでありながらレモンの香りを楽しむことができます。
シミックホールディングス 辻喜亨さん「(下阿達は)シミックが独占的に使用する権利を持っていて、それで世界で唯一、蘭越町のみで栽培しているということになります」
近江谷真由記者「町内の温泉には薬草を使った商品がずらりと並んでいます」
去年11月から「下阿達」を使ったハーブティーや化粧品、ジュースなどの商品が次々と誕生しています。6月24日から新たに販売が始まったのがこちら。色鮮やかな「下阿達」のビールです。
依田英将アナウンサー「さわやかですね。バラの香りのような柑橘系のさわやかさがあります。ごくごくいけます。おいしい」
ちなみにこの「下阿達」。そのまま生で葉を食べることもできるんです。
依田英将アナウンサー「うおっ、すごい一気にレモンの香りがします。すっぱくないレモンです。スパーンとぬけるさわやかさ。シソじゃないですね」
育てた薬草を生薬だけではなく、ビールなどの商品にしたり、食材としての活用を進めているのには大きな理由があります。たとえばこの高麗人参。薬用として出荷するためには長期間栽培しなければいけません。
農家 川崎隆行さん(74)「漢方薬だったら6年とか7年。そうするとその間、農家収入ないし。薬膳料理に使うというから、2年くらいでものになればOKなんだよね」
シミックホールディングス 辻喜亨さん「1年、2年でお金になるような商品化をやっていかないことには、農家に展開していった時に広く広がっていかないと考えている」
現在、町内で薬草を育てている農家は8戸。今後さらに戸数や栽培量を増やしていきたいと考えています。
食材としての利用を広めようと、去年9月にはニセコ圏をはじめとした道内外の料理人を招き、薬膳料理の試食会が行われました。
高麗人参を添えたサーモンや、ヒキオコシ風味のラム肉、下阿達のクレープなどが並び、町民が舌鼓をうちました。
参加者「ソースと相性が良くてとてもおいしいです」
町営農場では、倶知安町の障がい者就労支援事業所からの人たちも、薬草栽培に携わっています。
障がい者や高齢者など新たな雇用の確保も目指す薬草プロジェクト。
蘭越町 金秀行町長「高齢者の持っている技術ってあるんですよね。そういう中で進めていっていただければ、副収入にもなるし、非常に広がっていくのではないかなと思っています。お米・温泉・薬草という、その3つがあれば、健康をキーワードとして新たなまちづくりができればいいなと進めている」
蘭越から世界へ。販路拡大を目指し、まずは外国人観光客で賑わうニセコのホテルや札幌圏の飲食店などに売り込んでいく考えです。
シミックホールディングス 辻喜亨さん「安定的に食用として使っていただければ、安定的に栽培できるという風につながるのかなと。世界中に広がっていけばいいなと思っています」
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Негізгі бет 「薬草」で世界へ! 北海道蘭越町 町内で唯一栽培されている“新種”の薬草も まちの新たな特産品づくり
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