様々な人が新生活を始める中、幼いころからの夢、キラキラと輝く、サーカスの世界に飛び込んだ、女性がいます。高知を飛び出した19歳の挑戦に密着してきました。
旅立ちの季節。夢や希望を胸に、生徒たちはそれぞれの道に羽ばたこうとしていました。期待に胸を膨らませ、大きな一歩を踏み出した生徒がここにも…
西山深桜(にしやま・みお)さん。放送部の部長を務め、明るく、きさくな性格でみんなを引っ張ってきました。彼女が夢見てきたのが…
(西山深桜さん)
「私は、さくらサーカスの一員になります!」
幼いころからサーカスが大好き。高知で公演があった際には必ず見に行っていました。園児の時から、「サーカスに入る」と周囲に宣言。
高校生になってからは進学を考えていましたが、高知に来ていた「さくらサーカス」を見て、SNSで「入りたい」というメッセージを送ったといいます。少しの不安はありましたが、迷いはありませんでした。
(西山深桜さん)
「高知を出るというのと、叶いにくい夢じゃないけど、限られた世界。そこへの不安は、ちょっとありました。いろんな人を笑顔にして、自分も楽しめたらと思っています」
思い切った決断に後輩と同級生は…
(後輩)
「普通とは違う経験がたくさんあると思うので、乗り切って楽しんでほしい」
(同級生)
「たまに呼んでくれたら見に行くわ。招待はせんでえいわ。どこの県にいる、どこの国にいるかを教えてくれたら行くわ(笑)」
(松岡葵アナウンサー)
「サーカスという、これまでの生活とは全く異なる道を切り開いた西山さん。無事入団し、最近働き始めたということで、広島市までやって来ちゃいましたー!」
広島市の中心部から少し離れたところでいま、さくらサーカスは活動しています。旗揚げは2020年、和歌山県。世界大会で金賞を受賞した、実力派の演者たちが揃っていて、西山さんがメッセージを送ったのは2022年の高知公演の時でした。
大きなテントのすぐそばにあるトレーラーが、西山さんの住まいです。
(松岡アナウンサー)
「おはようございます」
(西山さん)
「どうぞ!」
(松岡アナウンサー)
「なんだかおしゃれになりましたね」
(西山さん)
「高校卒業したんで、メイクとピアスと」
(松岡アナウンサー)
「実際に働いてみてどうですか?」
(西山さん)
「みんな優しくてフレンドリーなので、すごく楽しいです」
(松岡アナウンサー)「慣れてきました?仕事は」
(西山さん)
「ちょっとずつ」
憧れのサーカスでの生活。一日の流れはこうです。
朝は8時半から仕事が始まります。およそ千ある席をふいたりステージを掃除したり。
公演は一日に3回から4回あり、来場者の案内も主な仕事です。演者としての夢を持つ西山さんですが、誰もが必ず通る道とのこと。
そして公演中は、フリータイムのときもあるそう!先輩団員たちの華麗な技の数々をしっかりと目に焼き付けます。
(西山さん)
「小学生のときに行ったサーカスでも大車輪体験して、すごく楽しかった記憶があります。どんなに慣れていても、危ない技が多いので、すごいなと思います」
公演が終わると、お見送り。お客さんたちはそろって、興奮した表情や笑顔を見せながらテントを後にしているといいます。いつか自分も、人々をあの笑顔に。
そんな夢に向けて、ついに、西山さんの稽古も始まります。
(西山さん)
「きょうは、アドリーと練習があるんですけど、ドキドキとわくわくが…」
(松岡アナウンサー)
「どっちが大きいですか?」
(西山さん)
「ちょっと緊張が大きい。どんなことをするのかわからなくて、ちょっとドキドキします」
(松岡アナウンサー)
「きょう、がんばってください!」
(西山さん)
「がんばります!」
公演後のテント。子どもから大人まで、およそ20人が自主練習を行っていました。
(松岡アナウンサー)
「おおー!すごい!こわくないですか?」
(演者)
「大丈夫です!」
(松岡アナウンサー)
「どれくらい練習しているんですか?」
(演者)
「空中ブランコは7年くらいやっている」
(松岡アナウンサー)
「それは高さも怖くなくなるかもしれないですね」
「慣れですね」
西山さんも初稽古にやってきました。少し緊張しているように見えます。
サーカスの演者として何よりも大切なのは柔軟性。「軟体芸」が得意な先輩・アドリーさんとストレッチからスタートです。
(アドリアナさん)
「体の柔らかさで、技がきれいに見える」
(松岡アナウンサー)
「全ての基礎が柔軟なんですね」
(アドリアナさん)
「ベースになります。一緒にやります?」
(松岡アナウンサー)
「いいんですか?私も挑戦します!」
(アドリアナさん)
「できるところまで、ペタンってする」
(松岡アナウンサー)
「ものすごく柔らかかったんですけど、何かしていたんですか?」
(西山さん)
「小さいころにクラシックバレエをしていました」
(松岡アナウンサー)
「そのあと、今まで何かしていたんですか?」
(西山さん)
「やってないです。家で自分で柔軟していました」
「サーカスに入りたいから?」西山さん「はい!」
(アドリアナさん)
「(Q.どうでしたか?)めっちゃ柔らかいです、本当に。普通の人よりめっちゃ柔らかいので、やりやすかったし、言ったことをちゃんと頭に入れようとしているので。(Q.見込みは?)いけます!あと何か月か練習しないといけないんですけど」
西山さんは稽古の後も、自主練習を続けます。
(松岡アナウンサー)
「今、疲れの具合はどうですか?」
(西山さん)
「ちょっと疲れました。たくさんほめてくれたので、楽しかったです」
大好きなサーカス。そこはまるで家族のようで、SNSのメッセージという異例の入団となった西山さんを、温かく受け入れてくれています。とっても愉快で、優しいメンバーに囲まれていますが、まだちょっぴり、さみしさも?
(西山さん)
「電話しています。お母さんに。いつでも帰ってきいやって、しんどかったりしたら戻っておいでって言ってくれたことが、すごく安心しました」
いつも味方でいてくれる家族、応援してくれている人たちに見に来てほしい。その思いが彼女の原動力になっています。
(西山さん)
「自分が見て憧れたアーティストたちみたいに、照明を浴びて、お客さんの前で披露する姿を見せたい。しんどいこととか、大変なこととかも多いと思うけど、頑張って毎日コツコツ、積み上げていきたいです」
応援してくれる人たちの期待に応えられるように…いつか自分がステージに立ち、大勢の人たちが歓声をあげてくれるその日を夢見て、西山さんの歩みは始まったばかりです。
Негізгі бет 「自分が見て憧れたアーティストたちみたいに」SNSから思い切って入団申し込み…輝くサーカスの世界へ!夢を追って高知から飛び出した19歳に密着
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