5月6日中日新聞に掲載された、八幡町の二十代若手による揚げ付けです。
マニアックな解説をしますと、一番最初に凧が振った時にガラを出すのは当たり前にしても、2回目に凧が振りそうな時点でガラを出したのはセンスの良さを感じます。
後ろで引っ張りすぎない事を直前の公会堂での講習会で確認しましたが、活かされています。そして凧が正対したら、すかさず位置替えをして安定空域に運んでいます。
さらにマニアックな解説。
揚がった瞬間の凧の動きと手に伝わる引き具合で、凧が完全に横を向く前にすぐさまトントンッと右手でガラを出していますね。と同時に体も前進させて暴れそうな凧をいなしています。
二回目も同じ動きですが、凧を見ていませんね。風は食らっているし、ガラだしても落ちない事が分かっているからでしょう。
3回目は、だいぶ落ち着いた感触が手に伝わったからか、グイッと今度は力を入れて、凧を上昇させています。動きがピーキーな半帖以下クラスを揚げていれば、この揚げ方はマスター出来ます。
風があったとはいえ、あったらあったなりに難しいのが浜松凧。感覚的には海浜公園でいつも揚げている半帖くらいの感じではないでしょうか。日頃から揚げていると本番でも問題なく揚げることが出来ます。
別動画の微風八帖揚げでも活躍しています。
以下、中日新聞令和元年五月六日朝刊より
凧揚げの技、まつりの魅力を次代へ
写真:巧みに大凧を揚げる八幡組の若衆ら=3日、浜松市南区の凧揚げ会場で
五日閉幕した浜松まつりでは今年もたくさんの凧が晴天を彩った。若者の祭り離れや参加者の減少が指摘される中、各町や組織委企画統制監理部(統監部)では凧揚げの技や、祭りの魅力を次世代へ伝えようと腐心している。
ハトの印の大凧が風に乗り、他町の凧の隙間を縫い、ぐんぐんと舞い上がっていく。浜松まつり初日の三日、浜松市南区の凧揚げ会場で巧みに糸を操っていたのは、中区の八幡町「八幡組」の大学生稲葉心さん(21)らの若衆。全員が二十代で、ほとんどが統監部の「凧揚げ技術伝承会」で凧揚げの技術を学んだ。中学生の時から毎年のように会に参加していた稲葉さんは「技術はもちろん、勇気や自信を得られた場所」と振り返った。
浜松まつり関係者によると、近年は都市化の影響もあり、市内で大凧を揚げられる場所は限られる。本番の凧揚げ会場は普段、サッカーグラウンドなどとしても活用され各町個別での確保は難しい。天竜川の河川敷も候補に挙がるが、道路が近いこともあり、「危ない」と苦情が寄せられたことがあるという。
こうしたトラブルを避けるため、統監部が全町的な技術継承の場として設けたのが伝承会だ。十一月と二~三月に計四日間、統監部が凧揚げ会場を貸し切って開催。二〇一二年ごろから毎年開かれ、各町は希望した日に自由に後進への指導にあたる。
当初、伝承会に参加したのは浜松まつりで凧を揚げる百七十四町の半分ほどだったが、現在は百三十町近くに拡大。九十町が一堂に会する日もあり、本番に近い雰囲気の中で練習ができるようになった。
八幡組の稲葉友亮組長は、「特に中高生が大凧を揚げる楽しさを知る貴重な機会になっている」と効果を実感。「失敗できない本番で実戦経験を積ませることは難しい。浜松まつりの凧揚げには教科書があるわけでもなく、簡単に言語化もできない。娯楽が増えた今は『もういいや』という子をいかに引き留めるかが問われている」と話した。
伝承会を担当する統監部の鳥井徳孝さんは「これからの浜松まつりの存続のためにも、若い世代に凧に触れてもらえるようにしたい」と力を込めた。
(酒井大二郎)
Негізгі бет 【中日新聞掲載】浜松まつり 伝承会仕込みの揚げ付け【令和元年・八幡町】
Пікірлер