中山市川雷蔵『中山七里』(1962年公開)
橋幸夫が歌うテーマ曲も、映画と同じタイトルの『中山七里』という。この映画のための曲なので、1番2番3番と、歌詞が映画のストーリーに綺麗に沿っている。
1番では、政吉が愛しい女性「おしま」を失って旅へ出る悲しみ。
2番では失った「おしま」とよく似た女性への葛藤。
3番では出会った人々を助けて、自らは再び孤独な旅に出る政吉の姿が歌われている。
このテーマ曲が、映画の展開の節目に入ってくるのに加え、随所でダダダーンと主張の強い入り方をしてくる。
〈音楽もわかりやすく芝居をしている〉という感じ。
決闘のシーンでは逆に、風の音がメインの静けさになる。
途中、茅葺き屋根の大きな家が倒れるシーンがあり、ここは音も大迫力だ。
立ち廻りは思ったほど速くもないし凝った動きもない。それでもまあ、これまでを考えれば面白みが多少あるとは思う。
個人的には『切られ与三郎』の、中村玉緒と逃げようとする屋内での立ち廻りのほうが、狭い建物の中で大勢が動くので中で迫力があった。
雷蔵演じる政吉が、みんなと別れて去っていくシーンは切ない。
どんなに似ていても、おしまとおなか(中村玉緒の二役)は違う女性なのだという切ない横顔は、やはり放っておけない美しさ。
Негізгі бет 中山七里 橋幸夫
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