食品や電気代など、生活に悪影響となる物価高。実は、生活困窮者の支援団体などに食品を提供する「フードバンク」にも打撃を与えています。企業などから寄付される食品の量が激減している現状について取材しました。
9月中旬の午後7時過ぎ。名古屋市中区の広場で行われていたのは、生活困窮者の支援団体が定期的に開く炊き出しです。バナナにお菓子、それに水餃子の入った温かいスープ。約150人分が1時間程でなくなりました。
しかし支援活動を続ける中で、1つの懸念点が生まれていました。
ボランティアオアシス 向井 紀裕さん:
「フードバンクに来る食品が激減していて、これからどんどん減っていくかもしれません。ほかに提供してくれるところを探すなど考える必要があると思いました」
配る食品の確保先の1つが「フードバンク」です。フードバンクは企業や個人などから余った食品の寄付を受け、支援団体などに提供しています。今、この寄付が減少しているといいます。
以前に比べて食品の入荷が減少
名古屋市北区にあるフードバンク「セカンドハーベスト名古屋」の大野康史さんです。やって来たのは、宅配などを手掛ける団体の倉庫。定期的に食品を寄付してくれる、重要な連携先です。受け取った食品を次々と車に積み込んでいきます。この日提供してもらったのは100個ほど。
大野康史さん:
「少し前に比べて、ちょっと減っていますね」
提供先を回って回収した食品は、事務所に集められます。倉庫の中には、仕分けした食品があちこちに並べられています。一方で、団体に提供する食品の在庫置き場では、入荷が少なくなっていると話します。
セカンドハーベスト名古屋 理事長 前川行弘さん:
「食品メーカーや流通(業界)ではずっと食品ロスを減らそうという動きがあったんですよね。それが物価高でより顕著になってきたというのが私どもの印象です」
物価高で企業が在庫となる余剰品を作らなくなったことが、寄付できる量の減少につながっているといいます。
北名古屋市のフードバンク愛知では「2022年の4月~9月は174の企業から寄付をもらっていたが、2023年は74と数が減っている」と話します。
寄付が減る一方で、支援を求める声は増えています。この日フードバンク愛知を訪れたのは、稲沢市で子ども食堂を運営している男性です。
子ども食堂を運営 千葉 格さん:
「大変なお母さんたちの手助けができれば。今物価が上がっているじゃないですか。そういったことを考えると、皆さん喜ばれますよね」
団体は2023年5月と8月に利用者を対象にしたアンケート調査を行いました。その結果、支援を申し出た理由に「物価高騰」を挙げた人は89.2%にも上りました。
フードバンク愛知 花井 里美さん:
「調味料やお米が高くて買えないので、母親自身が我慢して子どもに食べさせているけど、母親が食べられていないので支援を必要としています。さらに家電がそろっておらず、冷蔵庫がない状況で、レトルト品の支援がほしいとのことで、ご連絡いただきました」
寄付の減少と支援を求める人の増加。物価高の影響でフードバンクの運営は厳しさを増しています。
フードバンク愛知 加藤 智子さん:
「企業の方に文書を送って、防災備蓄品とか季節ものなどの寄付をもらえないかとダイレクトメールを送ったり、電話したり、訪問させてもらったり」
――成果は実りましたか?
加藤さん:
「いえ、ほとんどゼロに近いです。私たちのやり方が悪いのか、企業の方にも事情があるのか。まだまだ模索中です」
フードバンクへの寄付は個人でも行えます。余った食品があるという人は、個人で寄付するのも1つの解決策になるかもしれません。
▼チャンネル登録はコチラ↓↓応援お願いします!
/ @aichi-news
▼愛知のニュースHP
news.tv-aichi.co.jp/
▼ニュース公式SNS
◇Twitter(情報提供はこちら)
/ news_tva
◇TikTok
/ tva_news
【主な報道番組】
▼5時スタ 月~金 17:00~17:25
今、気になるニュースを「暮らし」に密着した視点で伝えます。
tv-aichi.co.jp/5sta/
▼TXNニュース 土日 17:20~17:30
日本や世界の最新ニュースをコンパクトにお伝えします。
▼映像提供はこちら
tv-aichi.co.jp/newspost/
Негізгі бет 「子どものために食事を我慢」物価高でフードバンク頼る人が増加も、食品の寄付は激減 (2023年9月29日)
Пікірлер: 43