青森県の南東部に位置し、面積305.54㎢、人口は青森市に次ぐ県下第2の232,698人(2017.8.31)を擁する中核市。江戸時代の寛文4年(1664年)に盛岡藩から分封されて誕生した八戸藩2万石の城下町として栄え、現在の中心市街地の骨格も形成された。明治4年の廃藩置県で八戸藩は八戸県、その後弘前県に編入され、さらに県庁が青森市に移ったことで青森県と改称された。明治22年(1889年)の町村制施行で三戸郡八戸町が成立し、昭和4年(1929年)に近隣2町1村と合併して人口5万2千人の八戸市が誕生した。昭和39年(1964年)には新産業都市の指定を契機に急速な工業集積が進み、近年では2001年に特例市に、さらに2017年1月1日には中核市に移行した。
静岡県からのアクセスは、東海道新幹線で東京まで行き、東北新幹線の「はやぶさ号」に乗り換え八戸まで約2時間50分、さらに八戸から「八戸線」に乗り換え本八戸まで8分。
中心市街地は、JR八戸駅の東口周辺と本八戸駅の南側周辺のエリア。
新幹線が停まる八戸駅周辺は、行政が示すいわゆる中心市街地ではないが玄関口としての機能を果たし、そこから5km程離れた八戸城を囲んだかつての城下町は今もなお人の集まる中心地として変わりはなく、政令指定都市でも百貨店の撤退が相次ぐ中、小規模ながらも二つの店舗が存在している。路地を歩くとビルの合間の至る所に「通り抜けできません」ではなく「通り抜けできます」という看板を見かけた。これは回遊性をつくる独自の習慣が、商店街や歓楽街を盛り上げている理由の一つではないかと思った。このような発想がなければ現在建設中のにぎわい拠点施設「マチニワ」は生まれなかったことだろう。安易な再開発よりもマチニワのような人の集まる空間作りは、行政ができる大きな貢献ではないかと思った。
【JR八戸駅】
八戸線と東北新幹線のほか青い森鉄道線が乗り入れ、1日当たりの乗車人員(2016年度)はJR線が4,456人(その内新幹線が3,395人)、青い森鉄道線は1,144人(2015年度)。駅は在来線が3面5線、新幹線が2面4線の地上駅の橋上駅舎で、東西自由通路が東口と西口を結ぶ。自由通路には在来線と新幹線のそれぞれの改札口のほか「びゅうプラザ」や土産物店、東側には駅ビルの「うみねこプラザ」と直結している。表玄関である東口の駅前広場南側には高速バスも乗り入れる路線バス乗り場、北側にはタクシー乗り場がある。西口は駅前広場の整備のほか周辺の道路工事も進められていた。
【うみねこプラザ】
地上1階から8階までを営業フロアとする駅ビルで、JR東日本の関連会社が運営するホテルメッツ八戸を核として、書店、カフェのほか図書館や市民サービスセンターなどの公共施設も入っている。
【八戸地域地場産業振興センター(ユートリー)】
土産物店やホテル、会議室、オフィスのほか地元企業の紹介コーナーなども入る地上8階建ての複合施設。
【JR本八戸駅】
八戸線が乗り入れ、1日当たりの乗車人員は1,164人(2016年度)。駅は1面2線の高架駅で2階がホーム、1階の南北自由通路に面して改札口や切符売り場などの駅施設のほか、飲食店などが集まる駅ナカ商業施設の「シーガルタウン」が入っている。北口を出ると高速バスも乗り入れる路線バス乗り場とタクシー乗り場があり、周辺にはビジネスホテルが点在している。南口には一般乗降用スペースがあり、周辺は小規模の店舗が建ち並んでいた。
【八戸城跡】
八戸城は馬淵川と新井田川の間の洪積台地に位置し、寛永4年(1627年)に南部利直が築城した平城。その後、盛岡藩から分封され八戸藩が誕生し、初代藩主の南部直房が盛岡藩時代の館を改修して本格的に城と城下町を整備した。明治の廃城令の後には、初代藩主の「南部直房」、甲斐源氏の祖「新羅三郎義光」、南部氏の祖「南部光行」の三人を祀った三八城(みやぎ)神社が創建され、現在は三八城公園として市民の憩いの場となっている。
【八戸市公会堂】
【八戸市役所】
【八戸商工会議所】
【さくら野百貨店八戸店】
店舗面積15,227㎡、地下1階から地上6階までを営業フロアとする百貨店で、2015年度の売上高は40億2千万円。
【八戸ポータルミュージアム「はっち」】
八戸の観光案内、文化などを紹介するスペースのほか、スタジオやカフェなども入る地上5階建ての複合ビルで2011年2月にオープンした。
【(仮称)三日町にぎわい拠点「マチニワ」】
1,091㎡の敷地に、地下1階、地上2階建て、延床面積1,250㎡の施設を、建築費17億円を掛けて2018年3月末に完成させるという事業。施設はガラス屋根の空間に、休憩、観覧デッキなどを設け、施設のある三日町から六日町や八日町への通り抜けが可能となり、街なかの庭のような役割と回遊性向上も期待される。
【中合三春屋店】
店舗面積15,584㎡、地下1階から地上5階までを営業フロアとする百貨店で、2015年度の売上高は47億4千万円。
【ファッションパル ヴィアノヴァ】
店舗面積4,082㎡、地下1階から地上2階までを営業フロアとする商業施設で、ファッション関係の店舗のほか居酒屋やレストランなども入っている。
【チーノはちのへ】
店舗面積14,005㎡、地下1階から地上6階までを営業フロアとする商業施設で、ニトリのほかファッション関係から雑貨店、飲食店や映画館なども入っている。以前この建物はイトーヨカドー八戸店として1980年にオープンしたが2003年2月に閉店、その後同年9月に「チーノはちのへ」として再出発した。
【NHK八戸支局】
【ガーデンテラス】
地上1階にカフェや書店、2階と3階には事務所、4階にレストランが入る地上4階建ての複合ビルで、2016年にオープンした。1階の書店は「本のまち八戸」を推進する拠点施設として全国的にも珍しい市営の「八戸ブックセンター」が入っている。
【みろく横丁】
新幹線の八戸開業効果を発揮させる為に2002年にオープンした26店舗(2017年9月時点)が集まる屋台村で、三日町と六日町にまたがることから「みろく」と名付けられた。
【鷹匠小路周辺(歓楽街)】
鷹匠小路周辺には、れんさ街、ハーモニカ横丁、長横町五番街、八戸昭和通りなど歓楽街となっている。
【蕪島】
中心市街地からもう少し足を延ばせば、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島がある。蕪島までのアクセスは、本八戸駅から八戸線に乗り鮫駅まで約15分、さらに鮫駅から蕪島まで徒歩10分前後。ウミネコの繁殖期には3万羽以上の鳴き声が響き渡り、営巣を間近で観察することができる国内唯一の場所として知られている。蕪島神社は鎌倉時代の1296年に造営された神社で、弁財天を祀っていることから商売繁盛、縁結び、漁業安全の守り神として700年以上に渡って信仰を集めてきた。東日本大震災の被害は免れたが、2015年11月5日に発生した原因不明の火災により社殿は全焼してしまい、現在2020年3月の完成に向けて再建工事が進められている。
Негізгі бет 2017中心市街地探訪102・・青森県八戸市
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