2006年4月3日新宿たべるなで開催致しました「第28回藤本昭子地歌ライブ」より、地歌《筆の跡》(歌・三弦:藤井久仁江、藤本昭子)。
Kunie Fujii, Akiko Fujimoto (voice, sangen) play Jiuta "Fude no Ato" at Taberna, 3 April 2006.
その年の9月12日に亡くなりました母と、地歌ライブでの最後の共演です。当初は母の箏、私の三弦で《四季の眺》を予定しておりましたが、だいぶ進行しておりました病状が思わしくありませんでした。
すると、「《ながめ》は私無理だわ。《筆の跡》を一緒に弾いて」と言ってくれました。娘のための、精一杯の思いだっのだと思います
KZitem公開に当たり、繰り返しこの映像を見ておりますと、母の渾身の演奏と母が選んだこの曲の歌詞の意味が胸に心に迫り、どうしても涙が止まりません。
〽千代までと、祈る誓ひもとにかくに、味気なき世の我が涙、汲むも汲まぬも知る人ぞ、知るか知らぬか夢の世の、憂き嬉しさをふり捨てて、清く返るや春過ぎて、
〽散り行く花と知る身にも、その垂乳根ともろともに、繰り返し見る筆の跡。
全盛期の母をご存じの方は、この演奏をご覧になって驚かれるかもしれません。けれども、どんな形であっても、母は舞台で演奏したいと言う思いを最後まで持ち続けておりました。本当に弾くために生まれてきたような母でした。この演奏にも、はっとするような母の芸の真髄と気迫がそこここに感じられてなりません。そして母は、自らの亡き後の私のことを心から思ってくれておりました。
今日は、母藤井久仁江の14年目の祥月命日です。
This is the last stage of ’’Jiuta Live'' with my mother who died on September 12th of that year.
At first, I planned to perform "Shiki no Nagame" with may mother, but her medical condition had been worse. Then, she was willing to perform "Fude no Ato" with me.
If you know my mother in her heyday, you may be surprised to see this stage. However, my mother had a desire to go on stage and play to the end. She really was a born performer. In this stage, I feel the essence and spirit of my mother's art. And she really thought about me after her death.
Today is the 14th anniversary of the death of my mother, Kunie Fujii.
Негізгі бет 地歌《筆の跡》 Jiuta ''Fude no Ato''
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