少なくとも一人は、どれだけ少なくても一人はいるんだって
そう思えた。
特定の相手がいなくて、好きな人もいなくて、恋が何か、愛が何かわからない時ってのは誰しもあると思う。いや、なくても僕にはあった。
そんな時には気持ちはどんどん落ち込んでいくもので
ネガティブなマインドは正常な判断を忘れさせる。
自分を好きな人なんて
自分を愛してくれる人なんて
この世のどこにもいないんじゃないかって
勝手にそう思い込んでしまうのも仕方のないことなんだ。
狭まった視野は、その狭い視界にうつりこんでいるものを世界の全てだと錯覚させてしまう。
古い扉の覗き穴程度まで狭まった視界で見る景色は窮屈で、万が一扉の向こう側にいる人が自分を否定している人だったら、まるで世界から否定されているかのように感じてしまうんだ。
その時の僕は、全世界が敵に見えて
自分が世界の的に見えた。
だから君がこの窮屈な部屋の扉をノックしてくれた時、何が起きたかわからなかった。
覗き穴から見える景色に君はいなくて、それでも誰かが音を立てて、塞がった扉を開けるように促してくれている。
あまりにも不可解な現象に戸惑ってしまった。
だから最初の僕は酷く無様で、酷く失礼で、酷く醜かったことだろう。
捻くれたこの瞳では周りが見にくかったのだから許してほしいところではあるのだけれど
それでもドアを叩き続ける君に
それでも話しかけてくれる君に
間違いなく僕は救われたんだ。
みんなには居るだろうか
本当は広い世界の中で、狭い視野で見えないようにしてしまっているだけで
自分のことを見てくれている
好きでいてくれている
認識してくれている
気遣ってくれている人は居るだろうか
明るいところから暗いところは見えづらくて
暗いところから明るいところは見えやすいなんてのは嘘っぱちで
明暗をわけるなんて言葉があるけれど
この世界の明るさは一律で
そう思い込んでいるだけで
どこからでも誰からでもどこでも誰でも見ることができる
君がその扉を開いて外を見渡せば
君にはそんな人がいるだろうか
少なくとも一人は、どれだけ少なくても一人は
いると思うよ。
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Негізгі бет 【ルームシェア】一人はいる奴選手権【既視感】
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