This is one of classical rakugo, created by the first San-yūtei Enchō.
Tthis was something that was not thought of independently in Japan, but rather from adaptions of the Italian opera the Crispino e la comare and the Grimm Fairy Tale "Godfather Death".
落語『死神』を #やさしい日本語 #EasyJapanese でリライトしました。
参考にしたのは、柳家喬太郎さん、立川談志さんの『死神』です。
【音楽・効果音】H/MIX GALLERY www.hmix.net/
音人 on-jin.com/
【イラスト】IllustAC www.ac-illust.com/
cocoancoさんのイラストを多用させていただいております。
スクリプト(動画の字幕と完全に一致するものではありません)----------
「ああ、もうダメだ。家に帰りたくない。生きていても、しかたがない」
男が一人、橋の上から川を眺めていました。仕事がない、お金もない、借金はある、怖い奥さんもいる。
「死にたい。でも、どうやって死ぬか…」
「教えましょうか」
急に声がして、見ると、お爺さんが一人、男の後ろに立っていました。
「なんですか、あなた」
「私は、死神」
「死神?! 冗談はやめてください」
お爺さんは、笑いました。
「冗談ではない。おまえ、死にたいか。無理だよ。おまえはまだ寿命がある。まだ死なない。ところで、いい仕事がある」
「えっ? どんな仕事ですか」
男はお爺さんを、まっすぐ見ました。
「医者だ。おまえ、医者になりなさい。いいか? どんなに重い病気でも、死神が足元にいたら、治る。足元の死神を消す呪文を、今からおまえに教える」
「つまり、私は医者だと言って、その呪文を唱えれば、病人を治すことができる」
「そうだ。足元の死神だ。寿命が終わるときは死神は枕元に来る。枕元の死神は、絶対に消してはいけないよ。足元の死神だけ、消してもいい。呪文は一度しか言わない。よく聞きなさい」
男は死にたい気持ちを忘れて、じっと死神を見ました。死神は、にやりと笑って言いました。
「アジャラカモクレンテケレッツノパア。それから、手を二回たたく」
「わかりました。アジャラカモクレンテケレッツノパア。これで、いいですか。あれ? お爺さん?」
お爺さんはもう、いませんでした。
男は仕事もお金もありませんでしたから、試しに紙に「医者」と書いて、家の外に張りました。すると、「あのう、先生、うちの旦那様をみてください」と、大店の番頭が来ました。主人が急に病気になりましたが、かかりつけの医者が「もう助からない」と言いました。それで、藁をもすがる気持ちで他の医者を探していました。
「とにかく、診るだけ、診てください」
「わかりました。とにかく、すぐ行きます」
男が病人の部屋へ行って見ると、死神が、足元にいました。(本当にいる!)と男は心の中で驚きました。(よし。じゃあ、やってみるか)男は真面目な顔で、番頭に言いました。
「すみませんが番頭さん、ちょっと外へ行ってください」
番頭が外へ行ってから、男は呪文を唱えました。
「えーと、アジャラカモクレンテケレッツノパア!」
すると、足元の死神は、すうっと消えました。病人はゆっくり起きて、言いました。
「番頭さん、いますか。お腹が空きました。なにか食べ物を持ってきてください」
男が呼ぶと、番頭はすぐご飯を持って来ました。それから、男に頭を下げました。
「先生、ありがとうございます。ありがとうございます。これは、お礼です」
そう言って、大金を男に渡しました。
男は家へ帰ると、借金をぜんぶ返しに行きました。
「これはいい。私はすぐお金持ちになる」
それから、男は何人かの足元の死神を消して、お金をもらいました。しかし、死神が枕元にいると、何もできませんから、なかなかお金持ちになりませんでした。
「先生! 来てください」
ある日、また別の大店の番頭が来ました。行って見ると、死神がいました。枕元です。
「番頭さん、すみませんが、これはダメだ。寿命です」
「先生、お願いです。今主人が死ぬと店が潰れます。あと一か月、なんとか、お願いします」
そう言って番頭は、千両箱を男の前に置きました。
「千両! でも無理です。死神がもう枕元に…」
見ていると、死神がふと、庭を見てました。この死神も、お爺さんです。ゆっくり動きました。
「…あ、そうか」
男は、いい考えを思いつきました。
「番頭さん、強い男を四人連れてきてください」
「は? はい!」
男は、店の男たちに主人の布団の四隅を持たせました。
「いいですか? 私が合図したら、頭をこちらに、足をこちらにしてください」
それから、じっと死神を見張りました。死神はなかなか外を見ません。
明け方になりました。
また、死神がゆっくり外を見ました。
「今だ!」
四人の男たちがサッと動いて、主人の布団をぐるりと回しました。すると、死神は「ギャアッ!!」っと叫んで、消えました。
「うまくいった、うまくいった。これでどんな病人でも治すことができる」
男が家へ帰る途中、また、後ろから声が聞こえました。
「おい、おまえ」
見ると、最初に会った死神です。
「あ、お久しぶりです、死神さん。おかげさまで金持ちになりました」
「おまえ、どうして枕元の死神を消した?」
「へへへ、うまくいきましたよ」
「ちょっと来なさい」
死神は男の腕を掴みました。すると、急に真っ暗になりました。
ロウソクが見えます。長いの、短いの、たくさんあります。
「なんですか、これは」
「このロウソクは、人間の寿命だ。ここに、今にも消えそうなロウソクがある。これは、おまえの寿命だ」
「嘘だ」男はおののきました。「あなたは最初、私は死なないと言いましたよね。それじゃ話が違う!」
死神は笑いました。
「おまえは今朝、寿命の男の死神を消した。ほら、この長いロウソクが、あの店の主人の寿命だ。おまえがあの死神を消すまで、これはおまえのロウソクだった。おまえは、自分の寿命を売った。千両は、高いか、安いか。ヒヒヒ…」
「嫌だ、死にたくない!」
死神は男に、別の長いロウソクを渡しました。
「じゃ、自分の命の火を、このロウソクに移しなさい。できるかな」
男は長いロウソクをもらって、消えそうなロウソクに近づけました。手が震えました。
「ああ、消えないで! 死にたくない」
「消えるよ、消えるよ」
「ちょっと死神さん、だまってください」
汗のしずくが落ちました。男は息を止めて、ロウソクを傾けました。
「消えるよ、消えるよ、…ほら、消えた」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり
Негізгі бет Learn Japanese Through Story (N5):【落語】死神 / A God of Death
Пікірлер: 5