本動画は、東京農業大学学術情報課程と、東京情報大学看護学部との2023年度における共同研究の成果として、「音読の効果」をわかりやすく説明した動画です。
本動画の台詞と、注・出典情報を以下のとおり掲載します。
スライド1:
(台詞) 音読の効果
東京農業大学 東京情報大学 製作
(注:冨山房インターナショナル営業部から『おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩』の表紙画像の掲載許諾済)
スライド2:
(台詞)
最近、言葉がうまく出なくなったり、会話がまとまらないと感じたことはありませんか?
これは、年齢を重ねるにつれてよく見られる傾向です。なぜでしょうか。
それは、認知機能の低下が起きているサインなのです。 “自分らしい”生活を築くためには、認知機能のもつ「記憶したり考えたりする働き」が欠かせません。
(注:イラストの出典:政府広報オンライン.知っておきたい認知症の基本.2023年8月16日.www.gov-online.go.jp/useful/a...
スライド3:
(台詞)
何かを伝えたいとき、言葉を話すためには「声」が必要です。そして、聞き手には、「聴力」と「認知力」が求められます。この「認知力」、つまり認知機能の要となる砦(とりで)は、私たちの脳に存在します。
(出典:山口晴保.認知症予防:読めば納得!脳を守るライフスタイルの秘訣.第3版.協同医書出版社.2020.pp.2-3.)
(注:イラストの出典:
声:いらすとや.日本語の母音を発音する口の形のイラスト.www.irasutoya.com/2016/01/blo...
耳:ジャパクリップ.耳.japaclip.com/ear/(参照2024ン円2月14日)
頭:イラストAC.「頭脳ひらめき」のイラスト素材.x.gd/HD5OE(参照2024年2月14日))
スライド4:
(台詞)
神経細胞であるニューロンが繋がったネットワークによって、運動や思考が行われています。
(出典:日本学術会議 おもしろ情報館 学修と記憶 2.脳はこうして記憶する1 www.scj.go.jp/omoshiro/kioku2...
(出典:Olaf Sporns.下野昌宣訳.脳のネットワーク.みすず書房.2020.pp.35-36.)
スライド5:
(台詞)
神経細胞ネットワークは、使われないと退化します。そのため、話す習慣を失うと、以前に使っていた話す仕組みをつなぐ神経細胞ネットワークが衰えて、結果的に認知機能が低下してしまいます。つまり、“自分らしい”生活を築く上で欠かせない「記憶したり考えたりする働き」を失われる可能性が生じます。
(注:イラストの出典:
会話:いらすとや.世間話をするお婆さんのイラスト.www.irasutoya.com/2014/05/blo...
孤独な高齢者:イラストAC.高齢者孤独.x.gd/cRipa(参照2024年2月14日))
スライド6:
(台詞)
では、認知機能は、一度低下してしまうと元に戻らないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
脳の回復力のきっかけが、音読会で得られます。例えば、脳梗塞で半身麻痺が起きた場合、トレーニングにより徐々に麻痺が回復することがあります。
なぜなら、ダメージを受けた脳の神経細胞は、復活するのではなく、ダメージの無い別の細胞で新たなネットワークを作るからです。音読会も同様です。この様に脳は、障害を受けてもその機能を保つための回復力である「可塑性(かそせい)」をもっています。
そのため、認知機能が低下しても、積極的な活動や新しい経験によって、その回復が期待できます。年齢を重ねても、興味をもち、新しい方法で楽しく学習や体験をすることで、脳の神経細胞ネットワークが変わり、脳が活性化します。
(出典:山口晴保.認知症予防:読めば納得!脳を守るライフスタイルの秘訣.第3版.協同医書出版社.2020.pp.67.)
(出典:Olaf Sporns.下野昌宣訳.脳のネットワーク.みすず書房.2020.pp.254-255.)
(注:イラストの出典:いらすとや。リハビリをしている老人のイラスト.www.irasutoya.com/2013/12/blo...
スライド7:
(台詞)
音読は、文字を見て、意味や文法の知識を使用して理解して、声を出し、その声を聞くといった様々な部位が活性化することが必要です。
スライド8:
(台詞)
大脳の部位によって働き方が決まっています。音読によって脳は、川島先生がモデル化された、この図によれば、青色部分の、少なくとも5カ所の部位が働きます。他方で、計算することによって脳は、少なくとも3か所の部位が働くと指摘されており、音読の方が脳の活性化がより多く行われていることが、わかります。
(図の出典:川島隆太 ニューロサイエンス的側面前頭前野と音読・計算 Clinical Neurosience vol23(6) 2005. pp.623-625.)
(注:川島隆太氏より、図の掲載許可済)
(注:“Clinical NeuroScience”の発行元である中外医学社から掲載許可済)
(出典:医療情報科学研究所 編集.からだがみえる:人体の構造と機能.メディックメディア.2023.pp.130)
スライド9:
(台詞)
皆さんと一緒に楽しむ「音読」は、本を読むことと同様に、新しい神経細胞ネットワークが刺激され、認知機能のトレーニングとなります。
音読会は「声を出す」トレーニングの場です。これには、健康増進の多くの効果があります。声を出すことで、唇(くちびる)・舌・顎(あご)・喉(のど)などの動きが良くなり、食べ物の飲み込みがスムーズになり、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
さらに、声を出す時の腹式呼吸によって肺を動かす筋肉が鍛えられ、内臓の働きも活発になり、病気への抵抗力が向上します。ストレスも解消され、気分もすっきりします。
皆さんと一緒に、楽しく音読し、健康増進の効果を共有しましょう。
Негізгі бет 【音読の効果】東京農業大学と東京情報大学の共同研究
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