岩手県の民話『大工と鬼六』を #やさしい日本語 #EasyJapanese #SimpleJapanese でリライトしました。
一説によると、日本の民話ではなく北欧神話の翻訳が元ネタで広がったのではないか、と言われています。
【音楽】
おとわび様 otowabi.com/
【イラスト】
illust AC様 www.ac-illust.com/
スクリプトーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昔あるところに、流れがとても速い川がありました。橋を架けたいですが、何度やっても流されてしまいます。それで村の人たちは相談して、有名な大工に頼みました。
大工は川を見に行きました。
「流れが速くて、川幅も広い。これは難しい仕事だ。どうやったらいい…?」
岸に座って考えていると、川の中から鬼が現れました。
「おい、何を考えている?」
「私はこの川に橋を架けなければなりません。でも、どうやったら架けることができるか。それを考えています」
鬼は笑いました。
「ははは、この川に人間が橋を架けることは、できない。だが、お前がその目玉をくれたら、私が橋をかけてやる」
「本当にあなたが橋を架けてくれたら、私の目玉をあげてもいいですよ」
大工は、冗談だと思いましたから、いいかげんな返事をして、家へ帰りました。
次の日、またその川へ行って、大工はびっくりしました。橋が半分架かっていました。見事な橋でした。
また、川から鬼が現れました。
「どうだ、驚いたか。さあ、目玉をよこせ」
大工は慌てました。
「ちょ、ちょっと待ってください。目玉をあげたら、私はこの見事な橋が完成したとき、見ることができません。私は完成した橋が見たいです」
「それもそうだ。じゃあ、明日まで待つ」
「待って、待って! あなたはすごい鬼ですから、鬼の世界では、とても有名でしょう。私にも、ぜひあなたの名前を教えてください」
大工が褒めましたから、鬼は気分が良くなりました。
「俺の名前を知りたいか。じゃあ、当ててみろ。もし俺の名前を当てることができたら、目玉はとらない。明日までだ」
そう言って、鬼は川の中に消えました。
大工は困りました。
「鬼の名前…、鬼の名前…。見当もつかない。どうしよう…」
歩きながら考えていると、気が付かないうちに、山奥へ来てしまいました。
遠くから、子供の歌が聞こえました。
「早く鬼六目玉 持ってこい持ってこい」
鬼の子供の歌でした。
「そうか、あの鬼の名前は『鬼六』だ!」
大工は急いで家へ帰りました。
次の日、大工が川へ行くと、見事な橋が完成していました。
鬼が現れました。
「さあ、目玉をよこせ」
「その前に、あなたの名前を当ててみてもいいですか」
「おまえ、俺の名前がわかったのか」
鬼はニヤニヤ笑いました。
「言ってみる価値はあります。大工が目玉を失ったら、仕事ができませんから」大工は鬼を指さして、言いました。「あなたの名前は、鬼太郎!」
でたらめを言うと、鬼は大きい声で笑いました。
「違う違う! 人間に、鬼の名前はわからない」
「じゃあ、鬼平!」
「違う違う! あきらめろ」
「今度は本気で当てますよ。あなたの名前は…鬼六!」
大工は叫びました。
鬼はびっくりして、しばらく動きませんでした。それから、何も言わないで川の中に消えました。
それからその鬼を見た人は、誰もいません。
Негізгі бет Learn Japanese Through Story (N5):大工と鬼六/Oniroku and a Carpenter
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